生活保護を受給中に通院するとき、気になるのは「交通費」ではないでしょうか。

生活保護の一環として、医療費が支給されても、通院のたびに交通費を払っていては費用が嵩みます。

医療費には診療代、薬代などが含まれているので、これらは支給される形となりますが、交通費も支給されるのか、気になるところです。

そこで今回は生活保護受給中の通院で交通費は支給されるのかについて詳しく解説します。

生活保護を受給中の方、または生活保護の受給を検討されている方はぜひ参考にしてください。

生活保護受給中の通院で「交通費」は支給されるのか

結論から言うと、生活保護中の通院にかかる交通費は、「移送費」として支給されます。

この項目では、「移送費」が支給される場合とされない場合について解説しますので、ぜひ理解しておきましょう。

移送費が支給される場合

移送費は、交通費として支給されるわけではなく、医療扶助の一部として支給されます。

交通費専用の扶助は存在しないので注意しましょう。

通院する病院までの距離が近い場合でも、適切な交通機関を使用すればきちんと支給されるのが特徴です。

ただし移送費を受ける場合は、事前の申告と書類の提出が必要なので、忘れず行いましょう。

支給範囲にも制限があるので、通院だからという理由で全てが支給の対象になるとは限りません。

生活保護受給中は給付される範囲をきちんと守ることで、交通費としてではなく移送費として、通院にかかる費用が支給の対象となります。

移送費が支給されない場合

次に、移送費が支給されない場合について見ていきましょう。

移送費は、以下のような場合は支給されない可能性があります。

  • 交通費の金額、交通手段が妥当ではない
  • 通院日数が妥当ではない
  • 近距離に医療機関が存在するにも関わらず、遠方の医療機関を利用する

移送費の支給を申請する際は、審査により交通費が妥当な金額であるかチェックが入ります。

支給される範囲を超えた場合は、移送費が支給されない可能性があることは覚えておきましょう。

きちんと移送費を受け取るには、移送費がどのようなケースで支給されるかを理解しておく必要があります。

まとめると、移送費は通院以外を目的とした行為に対しては支給の対象となりません。

支給される対象範囲と必要な書類

次に、移送費が支給される対象範囲と必要書類について見ていきます。

通院にかかる費用を抑えるためには、移送費が支給される範囲について理解しておきましょう。

また、移送費の支給には書類の申請が必要なので、こちらも何が必要なのか事前に見ておくことをおすすめします。

支給される対象範囲

以下の点から移送費が支給される対象範囲を解説します。

  • 対象日数
  • 対象交通機関
  • 対象医療機関

一つずつ見ていきましょう。

対象日数

どの程度の期間移送費が支給されるかについては、「療養に必要な最小限度の日数であること」と定められています。

通院する必要がある日数に関しては移送費という形で、交通費は問題なく支給されるということです。

しかし必要以上の日数の通院には移送費は支給されないということなので、注意しておきましょう。

移送費の対象日数は、通院の必要があると判断される限り支給の対象となります。

対象交通機関

移送費の支給には、適切な交通機関を利用することが求められます。

「経済的かつ合理的な経路及び交通手段であること」が条件なので、電車やバスなどの公共交通機関を使うのが適切です。

合理的な経路とあるように、わざと遠回りしたりせずに、最短の経路で移動する必要があります。

また、電車とバス、どちらでも医療機関へ移動できる際は、安く済む方を選びましょう。

電車やバスの方が安くつくのに、手軽で便利だからといった理由でタクシー等を利用することはできません。

しかし、他の交通機関を利用できないやむを得ない事情がある場合は、タクシー等を利用しても移送費が支給されます。

特に通院する際に歩くことが難しい場合は、駅やバス停まで移動することもままならないので、タクシー等を利用するしかありません。

また、歩いて行ける距離に公共交通機関がない場合も、他の交通手段を使うしかないので、支給の対象になります。

このように、病状によって公共交通機関以外の利用も認められる場合があるので、覚えておきましょう。

移送費の対象となる交通機関は、基本的に電車やバス等の公共交通機関になりますが、それらが使用できない場合は他の交通機関でも対象となります。

対象医療機関

通院する医療機関は、生活保護を受給している方の住んでいる場所からできるだけ近い医療機関が望ましいです。

近場の医療機関に必要な設備があるにも関わらず、不必要に遠方の医療機関に通院した場合は、支給の対象にならない可能性があります。

近くの病院より遠方にある病院の方が口コミで評判が良いから、そちらの方に行くための交通費を出してほしい、などの理由では支給の対象にならないわけです。

ただし遠方の医療機関に通院する理由がある場合はその限りではありません。

交通費が高額になる遠方の医療機関への通院でも、移送費が支給される場合があるので、担当医や福祉事務所に相談するようにしましょう。

医療機関については、基本的に近場に通院し、理由があれば遠方の病院でも移送費が支給されます。

必要な書類

移送費の支給には、事前の手続きと書類の提出が必要です。

通院移送費の支給には以下のような書類が必要なので、確認しておきましょう。

  • 通院証明書
  • 給付要否意見書
  • 通院移送費の申請書

まず、市や区役所で定められた「通院証明書」と呼ばれる書類が必要なので、取りに行った後に医療機関に提出、記入してもらいます。

生活保護受給者が通院する際に交通費が本当に必要であるか確認する「給付要否意見書」も書いてもらいましょう。

きちんと担当医から通院の必要性があると認めてもらうためです。

その後に利用した交通手段と費用を申請書に記入すれば移送費が支給されます。

また、申請の際には証明のために医療機関の領収書も必要です。

手続きの内容に関しては、各地方によって異なる場合があるので、手続きを行う施設(福祉事務所等)を検索して、事前に情報を確認しておきます。

移送費の申請の際は、「本当に移送費が必要なのか」などと聞かれることがあるかもしれませんが、はっきりと「必要である」と答えるようにしましょう。

移送費は医療扶助の一部として、生活保護の受給者にはしっかりと受け取る権利があります。

先に述べたように条件を満たせば支給に問題は何もないので、通院費を抑えるために移送費をうまく利用しましょう。

通院証明書、給付要否意見書を医療機関で記入してもらい、申請書に交通手段と交通費を書いて提出すれば移送費が支給されます。

通院を続けるために生活保護をうまく利用する

今回は、生活保護の受給中に交通費が支給されるのかについて解説しました。

交通費は、移送費という医療扶助の一部として支給の対象になります。

ただし適切な通院日数で、電車やバス等の公共交通機関を利用し、近場の医療機関に通院する必要がある等、支給には一定の条件があることは理解しておきましょう。

通院を続けるためには交通費などの費用は抑える必要があります。

申請が必要ではありますが、通院移送費は、生活保護を受給している方にはぜひ活用したい制度です。

条件を満たせば生活保護受給中の通院にかかる交通費は移送費として支給されるので、うまく利用して通院費用を節約しましょう。