生活保護受給中に法的なトラブルが発生することがあります。借金などの金銭問題のトラブルを解決するためには弁護士の力が必要です。生活保護受給中は、弁護士費用が免除されるのでしょうか。また、国が設立した無料の法律案内所である「法テラス」は利用できるのでしょうか。今回は、生活保護受給中の法テラスの利用方法についてご紹介します。

1.生活保護関連で弁護士に依頼することはある?

生活保護に関わる内容で弁護士が必要になるケースは借金問題や生活保護申請が挙げられます。

①借金問題

生活保護受給者は、生活保護を受給するまでの間に、銀行や消費者金融、友人から借金をしている傾向があります。そのため、生活保護受給中に借金の問題を解決する必要があります。

生活保護受給中に、借金の問題を解決したい場合には、法テラスを利用して債務整理することが一般的です。しかし、生活保護費から借金を返済することは認められないため、毎月一定の返済が発生する「任意整理」を選択することができません。結果として返済が不要となる「自己破産」を選択することになります。

②生活保護の代理申請

生活が困窮し生活保護を検討していても、本人が手続きすることが困難なケースがあります。そのような場合には、本人の意思で弁護士に依頼することで代理申請ができます。

③生活保護の審査請求手続き

不当な生活保護の停止や廃止があった場合に、理由が適当ではないと判断されるケースについては、弁護士に依頼することで、生活保護の代理申請や審査請求手続きが可能です。

④生活保護受給中の法的トラブルの対処法

生活保護の受給決定には、資産や預貯金の有無、扶養義務者の有無など、厳しい受給要件を満たす必要があります。また、生活保護費から高額な弁護士費用を支払うことは困難なため、法的なトラブルの解決には、法テラスの無料相談を利用することが選択肢となります。

2.法テラスとは

法テラス(日本司法支援センター)とは、国民の法的なトラブルに対応するため、国が総合法律支援法によって設立した機関です。法テラスは、国民からの相談に対して、解決に必要な手続きや弁護士、利用できる制度などを無料で案内します。法テラスは、生活保護受給中も利用することが可能です。

①法テラスの役割

法テラスは、国民の状況に応じた法律支援を行います。具体的には、以下のような支援があります。


  • 国民の法的なトラブルの解決に必要な情報の無料提供

  • 具体的な手続き方法の案内

  • 相談者が経済的に困窮している場合は、無料での法律相談

  • 相談者が一定の条件を満たす場合の費用の立替え対応

②法テラスに相談できるトラブルの種類

法テラスに相談できるトラブルは、法的な解決が必要な以下のようなトラブルが該当します。

・離婚、DVなどの男女間のトラブル

・借金による自己破産手続き

・悪質商法などの金銭問題

・住居に関する事や近隣トラブル

・虐待や暴力団による被害

・相続に関するトラブル

・職場でのパワハラや不当な解雇など

・誹謗中傷、インターネットでの被害

・交通事故に関連するトラブル

・裁判の手続き

③法テラスの利用方法

法テラスの利用方法は、公式サイトからのメール相談や電話で相談します。相談は無料ですが、電話の通話料は利用者の負担となるため注意しましょう。現在は、公式サイトからチャットボットによる問い合わせもできます。法テラスへの相談は無料ですが、実際の問題解決には弁護士費用が必要になります。

※出典:日本司法支援センター「法テラス」参照:2024.05.21

※出典:男女共同参画局「日本司法支援センター」参照:2024.05.21

3.弁護士費用と支払いの仕組み

生活保護受給中に法テラスを利用した場合の弁護士費用は、総合法律支援法(※1)に定められた民事法律扶助によって法テラスが立替えます。また、法テラスが立替えた費用の返済は、猶予される場合と免除の場合があります

①法テラスの弁護士費用が猶予されるケース

生活保護受給中に法テラスを利用した場合は、民事法律扶助によって、生活保護を受給している期間は支払いが猶予されます。民事法律扶助は、弁護士費用だけでなく、司法書士の費用や裁判代理援助費用、書類作成費用の立替えも含みます。※2

②法テラスの弁護士費用が免除されるケース

法テラスを利用した弁護士案件が完了した時点でも、生活保護を利用している場合は、法テラスに免除申請が可能です。費用の支払いが困難な場合は申請しましょう。

※1出典:e-Gov「総合法律支援法」参照:2024.05.21

※2出典:男女共同参画局「日本司法支援センター」参照:2024.05.21

4.法テラスを利用するときのポイント

法テラスは、生活保護受給中でも法的なトラブルが発生した際に利用できる、公的な問い合わせ窓口です。無料で相談でき、適切な手続きや弁護士の紹介を受けられるため、法的なトラブルや悩みを抱えている場合には、積極的に利用しましょう。

①借金問題を解決し生活を立て直す

法テラスは、生活保護受給前にも検討することがおすすめです。借金の問題は、早めに解決することがポイントです。法テラスを利用することで自己破産や債務整理ができれば、家計を圧迫する借金の返済額が減るため、生活保護を受給しなくても生活が立て直せる場合があります。

②法律相談は問題点を箇条書きにする

限られた生活保護費で携帯電話の利用料を支払っている場合、法テラスへの電話相談による通話料も大きな負担です。トラブルの内容をメモなどに箇条書きにし、問題を整理して相談するとスムーズになります。通話料が不安な場合は、チャットボットでの問い合わせやメール相談を利用し、それでも分からない部分を電話で問い合わせることがおすすめです。※

③法テラスの費用免除の仕組みを把握しておく

法テラスの弁護士費用の立替え金の免除や猶予は、依頼した案件の終了時の生活保護の状況によって変わります。依頼した案件の終了時に生活保護を受給していない場合は、免除や猶予が利用できない可能性があるため注意しましょう。

※出典:日本司法支援センター「相談窓口・法制度」参照:2024.05.21

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