「貯金があると生活保護は受けられないのでは?」と不安に感じている方もいるでしょう。しかし、生活保護の可否は預貯金額だけで決まるものではなく、世帯状況や収入、保有資産などを踏まえて総合的に判断されます。
また、申請時には資産調査が行われるため、預貯金や生命保険の取り扱い、申請前の支出について気になる方も少なくありません。
本記事では、生活保護申請時に認められる預貯金の目安や資産調査で確認される内容、申請前後に注意したいポイントについて詳しく解説します。
1.生活保護申請時の貯金はどこまで認められる?目安と確認すべきポイント

生活保護を検討している方の中には、「少しでも貯金があると申請できないのでは」と不安に感じる方も少なくありません。
しかし、預貯金があるだけで生活保護を申請できなくなるわけではありません。実際には、保護開始時の手持金や最低生活費、世帯状況などを踏まえて判断されます。
①預貯金の目安と考え方
生活保護の申請時に認められる預貯金は、世帯人数だけで一律に決まるものではありません。一般的には、保護開始時の手持金について、最低生活費の5割程度が一つの目安とされています。※1
実際に、派遣契約の終了で収入が途絶え、約8万円の貯金があった40代男性も、申請後に生活保護の利用につながりました。
少額の貯金があるだけで、申請できないとは限りません。
②地域差による基準の違い
生活保護の判断に使われる最低生活費は、住んでいる地域や家賃、世帯人数、年齢などによって変わります。そのため、申請時に保有が認められる預貯金の目安も、地域や世帯状況によって異なります。
ただし、自治体ごとに自由に基準を決めているわけではありません。
申請を検討している場合は、お住まいの地域を担当する福祉事務所に相談し、具体的な金額を確認しましょう
※1出典:厚生労働省「保護開始時の手持金及び保険の取扱い 」参照:2026.6.9
2.生活保護の資産調査で確認されること

生活保護を申請すると、預貯金や保険などの資産状況について確認が行われます。
「通帳を見られるのでは」「保険は必ず解約しなければならないのでは」と不安に感じる方もいますが、確認の目的は、現在の生活状況や活用できる資産を正しく把握することです。
①通帳や銀行口座の調査内容
生活保護の申請後は、預貯金や保険、不動産などの資産状況について確認が行われます。※1
預貯金については、通帳や口座情報の提出を求められ、入出金の履歴を確認される場合があります。※2
申告していない口座や資産が後から分かると、追加の確認が必要になり、判断に時間がかかることがあります。そのため、把握している口座や資産は、できるだけ正確に申告することが大切です。
実際に、生活費に困って申請した30代女性の相談者は、過去に管理を家族に任せていた預貯金について申告が漏れていました。後日その事実が分かりましたが、事情を説明したことで手続きが進み、生活保護の利用につながりました。
②生命保険や解約返戻金の取り扱い
生命保険の解約返戻金や積立型の保険は、資産として確認されます。
解約すると返戻金を受け取れる保険は、生活費に活用できる資産と判断される場合があります。※3
ただし、すべての保険を必ず解約するわけではありません。
返戻金が少額の場合や、保険料の負担が大きくない場合は、継続が認められることもあります。
※1出典:厚生労働省「生活保護制度-生活保護の手続きの流れ 」参照:2026.6.9
※2出典:厚生労働省「生活保護の申請に関するQ&A-Q.2 」参照:2026.6.9
※3出典:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」 参照:2026.6.9
3.生活保護申請前に確認しておきたい支出のポイント

支出内容に問題がない場合でも、状況によっては詳細な説明を求められることがあります。その際に慌てないよう、支出内容を確認できる書類を事前に整理しておくとよいでしょう。
①生活保護申請時に確認される支出とは
生活保護では、食費や光熱費、家賃、医療費など、日常生活を維持するために必要な支出は、通常の生活費として扱われます。
また、就職活動に伴う交通費や面接時に必要な衣類の購入費なども、状況に応じて必要な支出と判断されることがあります。
一方で、高額なブランド品の購入やギャンブルへの支出、多額の贈与などについては、資産や収入の状況を確認する過程で事情を尋ねられる可能性があります。
預貯金の使い方や支出内容について不明な点がある場合は、申請前に福祉事務所へ相談しておくとよいでしょう。生活保護の判断は世帯状況や地域によって異なるため、事前に確認しておくことで手続きを進めやすくなります。
詳しくは「生活保護申請を秘密で進める具体的方法と友人や職場に知られずに手続きを完了する7つの戦略」で解説しています。
②支出内容を確認できる書類を準備する
申請前の支出について説明を求められた場合に備え、領収書やレシートなどの書類を保管しておくとよいでしょう。特に医療費や住居関連費用、就職活動にかかった費用については、必要に応じて内容の確認を求められるケースがあります。
生活保護の申請では、預貯金や収入、支出の状況について確認が行われます。不明な点がある際は事前に福祉事務所へ相談し、申請時には事実を正確に伝えることが大切です。領収書や利用明細などを整理しておくことで、手続きを円滑に進めやすくなります。
4.生活保護受給後に収入や預貯金が増えた場合の対応

生活保護の受給が始まった後も、収入や預貯金の状況に変化があった場合は適切に対応する必要があります。申告漏れや認識の違いによるトラブルを防ぐためにも、事前にルールを確認しておきましょう。
①収入増加時の報告ルール
アルバイトや就職などにより収入が発生した場合は、福祉事務所へ報告する必要があります。※1
収入額に応じて生活保護費の支給額が調整されるため、収入の状況を正確に伝えることが不可欠です。
なお、就労によって得た収入については、一定の控除が適用されるケースがあります。※2
また、就労による収入の確保は、自立を目指すうえで重要な取り組みの一つです。収入状況に変化があった際は、速やかに福祉事務所へ相談し、必要な手続きを行いましょう。
詳しくは「生活保護受給中に病気で働けなくなったときの手続きと支援の流れ」で解説しています。
②預貯金が増えた場合の対応
生活保護費をやりくりした結果、預貯金が増えた際には、その状況を福祉事務所へ伝え、必要に応じて相談しましょう。
また、冠婚葬祭費や医療費などの急な支出に備えて預貯金を保有すること自体が、直ちに問題となるわけではありません。
ただし、預貯金の取り扱いは個々の状況によって異なるため、不明な点がある場合は事前に福祉事務所へ確認しておくと安心です。
※1出典:e-GOV法令検索「生活保護法 第61条(届出の義務)」参照:2026.6.11
※2出典:厚生労働省「生活保護の基本的な実務」参照:2026.6.11
5.資産の申告漏れや不正受給による影響

生活保護の申請時や受給中は、資産や収入の状況を正確に申告することが求められます。申告漏れや誤った申告があった場合は、生活保護の継続や受給額に影響することもあるため、あらかじめ対応やリスクについて理解しておきましょう。
①資産の申告漏れが判明した場合の影響
申請時や受給中に資産の申告漏れや申告内容に誤りがあったことが判明した場合は、生活保護の継続について見直しが行われることがあります。また、本来支給されるべきでなかった生活保護費について、返還を求められるケースもあります。
対応の内容は状況によって異なるため、資産や収入の状況に変化があった際は、速やかに福祉事務所へ相談し、正確に申告する必要があります。
②不正受給と判断された場合のリスク
故意に資産を申告しなかった場合や、悪質な不正受給と判断された場合は、状況によって刑事責任が問われる可能性があります。※1
対応の内容は個々の事案によって異なるため、生活保護の申請時や受給中は、資産や収入の状況を正確に申告することが重要です。不明な点がある場合は自己判断せず、福祉事務所へ相談しましょう。
※1出典:e-GOV法令検索「生活保護法 第85条(罰則)」参照:2026.6.11
6.シミュレーションで確認できる生活保護の目安

生活保護の自動計算機能は、支給額の目安を確認するだけでなく、申請を検討する際の参考情報を把握するためにも役立ちます。
①生活保護シミュレーションで確認できること
自動計算機能を利用することで、世帯構成や地域に応じた生活保護費の目安を事前に確認できます。また、現在の収入や資産状況を入力することで、受給の可能性や支給額の目安を把握することも可能です。
ただし、計算結果はあくまで参考情報であり、実際の受給可否や支給額は福祉事務所による審査を経て決定されます。利用する際は、あくまでも目安として活用しましょう。
②地域による支給額の違い
生活保護の支給額は地域によって異なります。東京23区では1級地-1として高い基準が適用されており、地域ごとに設定された級地区分に応じて支給額が決まります。自動計算機能では、こうした地域差を反映した支給額の目安を確認できます。※1
詳しくは「生活保護受給中に入院が長引いた時の手続き完全ガイド|医療費負担から生活費変更まで必要な申請と対応策」で解説しています。
地域別の生活保護基準額を事前に把握することで、現在の収入や預貯金の状況と生活保護基準との違いを確認する際の参考になるでしょう。
※1出典:厚生労働省「生活保護法による保護の基準」参照:2026.6.11
7.生活保護申請をサポートする支援内容

生活保護の申請にはさまざまな手続きがあり、資産調査や必要書類の準備に不安を感じる方も少なくありません。リライフネットでは、そのような方に向けて、申請前の相談から受給決定まで一貫したサポートを行っています。
①相談から住居確保までの一貫支援
リライフネットでは、住居とセットで生活保護の申請支援について相談可能で、預貯金がある場合のアドバイスも可能です。住まいに関する支援も行っており、状況に応じて個室住居を紹介しています。
また、電話・メール・LINEなど複数の相談方法に対応しているため、多くの方に快適に利用していただけます。
②福祉事務所での面談同行
福祉事務所での面談に不安を感じる方には、同行支援を行っています。資産調査への対応方法や必要書類の準備についても事前に案内しているため、申請手続きを進める際の不安軽減につながります。
また、申請者一人一人に応じて支援を行っているため、手続きを進める際の疑問や不安について相談しながら進められます。
詳しくは「生活保護の扶養照会で家族から援助を断られた時の対処法と関係悪化後も安定した生活を築く方法」で解説しています。
8.よくある質問

①貯金が15万円ありますが生活保護は申請できますか?
貯金が15万円ある場合でも、生活保護を申請できる可能性があります。生活保護の可否は預貯金額だけで判断されるものではなく、世帯状況や収入、資産の状況などを踏まえて総合的に判断されます。詳細は福祉事務所へ相談しましょう。
②複数の銀行口座を持っていることを隠したらどうなりますか?
生活保護の申請時や受給中は、すべての銀行口座や預貯金を申告する必要があります。申告漏れが判明した場合は、生活保護の見直しや返還請求の対象となることがあります。故意の申告漏れや悪質な不正受給と判断された場合は、法的な責任が問われる可能性もあります。
③生命保険の解約返戻金も資産として計算されますか?
解約返戻金がある生命保険は、資産の一つとして確認されます。保険の種類や解約返戻金の額によっては、取り扱いについて確認が行われます。一方で、解約返戻金のない掛け捨て型の保険は継続できるケースがあります。
④申請前に高額な買い物をしても問題ありませんか?
生活に必要な食費や医療費などの支出は、通常の生活費として扱われます。一方で、高額な買い物については支出内容の確認を求められることがあります。申請前の支出に関する領収書や利用明細は保管しておきましょう。
⑤受給開始後に貯金が増えた場合はどう報告すればいいですか?
受給開始後に預貯金が増えた場合は、福祉事務所へ報告します。預貯金の取り扱いは状況によって異なるため、不明な点は事前に確認しておくと安心です。
⑥地域によって貯金の基準額は変わりますか?
生活保護に一律の貯金基準額はありません。預貯金の取り扱いは世帯状況や資産状況などによって異なるため、詳細は福祉事務所へ確認しましょう。
⑦自動計算サイトの結果はどの程度信頼できますか?
自動計算サイトは受給の目安を確認する際に役立ちます。ただし、最終的な受給可否や支給額は福祉事務所が判断するため、詳細は福祉事務所へ相談しましょう。
9.まとめ

生活保護の申請では、預貯金があるだけで直ちに申請できなくなるわけではありません。実際には、世帯状況や収入、資産の内容などを踏まえて総合的に判断されます。
また、申請時や受給中は、預貯金や収入の状況を正確に申告することが重要です。資産調査や支出内容の確認に不安がある場合は、事前に福祉事務所へ相談しておくと手続きを進めやすくなります。
生活保護の利用を検討している方は、自動計算機能で目安を確認しながら、必要に応じて専門機関や支援サービスも活用しましょう。
この記事では、生活保護申請時の貯金の目安や資産調査のポイントについてご紹介しました。「預貯金があるが住居確保と生活保護を同時に進めたい」「住居探しが不安」「生活保護の申請手続きに不安がある」などの場合には、リライフネットへご相談ください。
リライフネットでは関東一都三県を対象にマンション、アパート、個室型シェアハウスなどの住居提供を行っております。行政・不動産事業者・職業紹介事業者・NPO・ボランティア団体などと連携しており、迅速に住居を提供できます。
生活保護の申請サポートも可能なため、お気軽にご相談ください。リライフネットでは完全無料で、メール、LINE、電話で相談が可能です。
ご相談はこちらから
https://seikatsuhogoguide.com


