「生活保護の停止や廃止の通知が届いたけれど、どう対応すればよいのだろう」「決定に納得できない場合はどうすればよいのだろう」と不安を感じていませんか。 「生活保護の扶養照会とは?家族に知られたくない場合の相談方法と準備のポイント」もあわせてご覧ください。
生活保護の停止や廃止が決定された場合でも、まずは通知内容や判断の根拠を確認することが大切です。また、状況によっては不服申立てや審査請求を行える場合があり、利用できる支援制度について相談できることもあります。 「公的扶助を簡単に分かりやすく解説!生活に困ったときの支援制度とは」もあわせてご覧ください。
本記事では、生活保護の停止と廃止の違い、不服申立てや審査請求の進め方、生命保険の取扱い、利用できる支援制度などについて分かりやすく解説します。 「自立支援制度とは?自立支援施設の役割・利用の流れ・生活保護との関係をわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。
1.生活保護の停止と廃止の違いを理解する

生活保護の受給が終了すると聞くと、「もう二度と利用できなくなるのではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、生活保護には「停止」と「廃止」があり、それぞれ意味やその後の手続きが異なります。 「住所がなくても生活保護申請は可能!保証人不要で住居確保する5つの実践方法と手続きの流れ」もあわせてご覧ください。
①停止の場合は状況改善後に受給を再開できる場合がある
生活保護の「停止」とは、一時的に保護の必要性がなくなったと福祉事務所が判断した状態を指します。
就労収入の増加などにより、世帯収入が最低生活費を上回った場合や、一時的に保護を必要としない状況になった場合に行われることがあります。停止中は生活保護費の支給が行われませんが、受給資格そのものが直ちに失われるわけではありません。※1 「生活保護費が月末まで持たない時の緊急対策と今すぐできる食費・光熱費の節約法」もあわせてご覧ください。
そのため、収入の減少や失業などによって再び生活に困窮した際には、福祉事務所へ相談することで保護の再開が認められる場合があります。
例えば、アルバイト収入の増加によって保護が停止されたケースでも、勤務日数の減少や雇用契約の終了により収入が減少した場合には、状況確認のうえで保護の再開が検討されます。
停止中の取扱いは状況によって異なるため、不明な点がある場合は福祉事務所へ確認しておくと安心です。
②廃止の場合は原則として再申請が必要になる
生活保護の「廃止」とは、生活保護の受給要件を満たさなくなったことなどにより、保護が終了することを指します。
就労によって継続的な収入が得られるようになった場合や、活用できる資産によって生活できると判断された場合などに廃止となることがあります。
廃止後に再び生活に困窮した場合は、原則として新たに生活保護を申請し、改めて要件の確認を受ける必要があります。
そのため、停止と比べると再受給までに一定の手続きが必要となります。
なお、廃止決定の内容に納得できない場合は、審査請求などの不服申立てを行うことが可能です。※2
また、生活に困窮している状況であれば、生活保護の再申請について福祉事務所へ相談できます。
詳しくは「生活保護申請が却下された場合に再申請を通すための7つの対策と準備のポイント」で解説しています。
※1出典:厚生労働省「生活保護の基本的な実務」参照:2026.6.19
※2出典:総務省「行政不服審査法の概要」参照:2026.6.19
2.通知書の内容や判断根拠を確認する

生活保護の停止や廃止に納得できない場合でも、すぐに不服申立てを行うのではなく、まずは決定の根拠を確認することが大切です。
収入認定や資産調査の内容を確認した結果、誤解や確認不足が解消されるケースもあります。まずは通知書や関連書類を見直しながら、どのような理由で停止や廃止が決定されたのかを整理してみましょう。
①まずは収入認定の内容を確認しよう
生活保護の停止や廃止が収入認定を理由として行われた場合は、認定内容に誤りがないか確認することが大切です。
例えば、収入額の計算誤りや収入認定の対象範囲の確認漏れなどが生じる可能性があります。給与明細書や収入申告書、通知書などの内容を照らし合わせながら、認定根拠を確認してみましょう。
また、就労に伴う必要経費や各種控除の取扱いについて不明な点がある場合や、内容を確認したうえで疑問点が見つかった場合には福祉事務所へ説明を求めることも一つの方法です。
②資産調査結果の根拠を確認する
生活保護の停止や廃止が資産調査の結果に基づく場合は、その内容や根拠を確認しておくことが大切です。
例えば、預貯金の残高や生命保険の解約返戻金などについて、福祉事務所がどのような資料をもとに判断したのかを確認してみましょう。通知書の内容と実際の契約状況や残高に相違がないか整理しておくことで、疑問点を把握しやすくなります。
また、相続が関係している場合は、相続放棄の手続き状況を確認することも重要です。相続放棄は、原則として相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。※1
相続放棄が受理されている場合は、相続放棄申述受理通知書などの書類を準備したうえで、福祉事務所へ提出し、判断の根拠について確認するとよいでしょう。
※1出典:裁判所「相続の放棄の申述」参照:2026.6.19
3.不服申立ての進め方

不服申立てを行う際は、申立書の作成や資料の準備だけでなく、審査の過程で求められる説明にも適切に対応することが大切です。
ただし、不服申立てを行ったからといって、必ずしも決定内容が変更されるとは限りません。
①申立書の作成と必要書類の準備
不服申立てを行う際は、申立書に決定内容に対する異議の理由を記載します。感情的な表現は避け、事実関係や資料に基づいて経緯を整理することが大切です。
申立理由には、通知書の内容と実際の状況に相違があると考える点や、その根拠となる資料を具体的に記載します。収入認定や資産認定の内容について疑問がある場合は、どの部分に疑問を感じているのかを分かりやすくまとめておくとよいでしょう。
また、不服申立ての際には、決定通知書の写しのほか、収入や資産の状況を確認できる資料を準備します。
具体的には、給与明細書、預金通帳の写し、賃貸借契約書、医療費に関する書類など、申立ての内容に関連する資料がある場合は、あわせて提出を検討しましょう。
②事情説明を求められた場合の対応
不服申立てを行った後、審査の過程で申立内容について説明を求められる場合があります。その際は、申立書に記載した内容と提出資料をもとに、事実関係を整理しながら説明できるよう準備しておくとよいでしょう。感情的な表現ではなく、通知書の内容と実際の状況に相違があると考える点を、資料を踏まえて説明することが大切です。
また、収入申告の経緯や資産状況の変化などについて確認を求められることもあります。関連する資料や経緯を整理しておくことで、状況を説明しやすくなります。
不明な点がある場合は、その都度確認しながら手続きを進めましょう。
詳しくは「生活保護受給中に医療費請求が来たときの対処法と原因別の対応ポイントを解説」で解説しています。
4.審査請求の進め方

不服申立ての結果に納得できない場合は、さらに審査請求を行うことも可能です。審査請求では、決定内容に対する主張や根拠を改めて整理し、必要な資料とともに提出します。
また、審査には一定の期間を要するため、手続きの準備だけでなく、審査期間中の生活についても考えておくことが大切です。
①審査請求書の作成と証拠書類の整理
審査請求を行う際は、決定内容について見直しを求める理由や、その根拠となる資料を整理したうえで審査請求書を作成します。
不服申立ての際に提出した資料に加えて、新たに確認できた資料がある場合は、あわせて提出することも検討できます。例えば、生活状況に関する資料や医師の診断書などが、事実関係の説明に役立つ場合があります。
また、審査請求は書面による審理が行われることが一般的です。※2 審査請求人からの申立てによって、口頭意見陳述の機会が設けられる場合もありますが、提出書類が審理の際の重要な資料となります。
そのため、審査請求書には経緯や主張の内容を整理して記載し、関連する資料とあわせて提出することが大切です。
②審査期間中の生活への備え
審査請求を行った場合でも、原則として停止や廃止の決定が直ちに取り消されるわけではありません。
そのため、審査期間中の生活に不安がある場合は、福祉事務所や自治体の相談窓口へ早めに状況を伝え、利用できる支援制度がないか確認しておくことが大切です。※1
また、収入や住まいの状況などに変化があった場合は、その内容を速やかに福祉事務所へ伝えましょう。
審査請求の結果が出るまでには、一定の時間を要することがあるため、必要に応じて支援機関のサポートも活用しながら手続きを進めることが大切です。
※1出典:厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」 参照:2026.6.19
5.生命保険に関する停止・廃止への対応

生命保険があることを理由に生活保護の停止や廃止が検討された場合でも、すぐに受給が終了するとは限りません。 生命保険の取扱いは一律に判断されるものではなく、契約内容や世帯の状況などによって対応が異なることがあります。
①解約返戻金の状況を確認する
生活保護の受給にあたり、生命保険の取扱いについて確認を求められた場合は、まず解約返戻金の状況を把握することが大切です。
生命保険の解約返戻金は、資産として確認の対象となる場合があります。そのため、福祉事務所から説明を受けた際は、保険会社へ問い合わせるなどして、現在の契約内容や解約返戻金額を確認しておきましょう。
また、生命保険の取扱いは契約内容や世帯の状況によって判断が異なります。医療上の事情や生活状況など、契約の継続について確認したい事象がある場合は、その内容を福祉事務所へ相談することも一つの方法です。
必要に応じて診断書などの資料を準備し、現在の状況を説明できるようにしておくとよいでしょう。
②生命保険について相談する際に伝えるべきこと
生命保険の取扱いについて、福祉事務所へ相談する際は、現在の契約状況や生活状況について正確に伝えることが大切です。
例えば、保険契約を継続している理由や、現在の健康状態、通院状況など、生命保険に関係する事情がある場合は、その内容を整理して説明できるようにしておきましょう。
また、福祉事務所から事情の説明を求められた場合に備えて、保険証券や通院状況が分かる資料などを準備しておくと、状況を伝えやすくなります。
生命保険の取扱いは契約内容や世帯の状況などを踏まえて判断されるため、不明な点がある場合は早めに福祉事務所へ確認しておくとよいでしょう。
詳しくは「生活保護受給中に入院が長引いた時の手続き完全ガイド|医療費負担から生活費変更まで必要な申請と対応策」で解説しています。
6.停止・廃止後に利用できる支援制度

生活保護の停止や廃止が決まると、今後の生活費や食事、日用品の確保について不安を感じる方もいるでしょう。
しかし、利用できる支援制度や相談先があります。一人で抱え込まず、利用できる制度を確認しながら生活の立て直しを進めていくことが大切です。
①生活福祉資金貸付制度の利用を検討する
生活保護の停止や廃止によって生活費に不安がある場合は、社会福祉協議会が実施する生活福祉資金貸付制度について確認してみる方法があります。※1
生活福祉資金貸付制度には、緊急かつ一時的な支援を目的とした緊急小口資金や、生活再建に向けた支援を行う総合支援資金などがあります。利用できる制度や貸付条件は状況によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
また、これらは貸付制度であるため、利用後には返済が必要となる場合があります。制度の内容や返済条件を十分に確認したうえで利用を検討しましょう。
利用できる支援制度は生活状況によって異なるため、詳細については社会福祉協議会や自治体の窓口で確認してみるとよいでしょう。
②食料支援や生活用品の提供を活用する
生活保護の停止や廃止によって生活に不安がある場合は、食料支援や生活用品の提供を行っている支援団体について確認してみる方法があります。※2
地域によっては、社会福祉協議会やNPO法人などが食料支援を実施している場合があります。フードバンクやフードパントリーの取り組みを通じて、食品の提供を受けられることもあります。
また、衣類や日用品などについて支援を行っている団体もあります。利用条件や支援内容は地域によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
生活状況に応じ、利用できる支援は異なるため、困りごとがある場合は社会福祉協議会や自治体の相談窓口へ相談することも検討してみましょう。※2
どのような支援を利用できるか分からない場合や、今後の生活について不安がある場合は、早めに相談先へ連絡することが大切です。リライフネットでも生活保護に関するご相談を受け付けていますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
詳しくは「生活保護受給中に引越し先が見つからない時の対処法と住宅確保の流れ」で解説しています。
※1出典:厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」 参照:2026.6.19
※参考:社会福祉協議会
7.専門家や支援団体との連携による成功率向上

不服申立てや審査請求の手続きは複雑で、一人で対応するには限界があります。専門家や支援団体のサポートを受けることで、成功の可能性を大幅に高めることができます。
①弁護士や司法書士への相談を検討する
生活保護の停止や廃止に関する不服申立てや審査請求について不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家へ相談する方法があります。※1
専門家へ相談することで、手続きの進め方や必要書類の整理について、助言を受けられる場合があります。また、事案によっては法的な観点から状況を整理する際の参考になることもあります。
収入や資産の状況によっては、法的支援を利用できる場合もあるため、費用面が不安な場合は利用できる制度について確認してみるとよいでしょう。※2
審査請求の手続きは状況によって必要な対応が異なるため、一人で判断することが難しい場合は、専門家の助言を参考にしながら進めることも選択肢の一つです。
②支援団体への相談を検討する
生活困窮者支援を行うNPO法人や社会福祉法人などでは、生活に関する相談支援を実施している場合があります。
生活保護の停止や廃止に関する手続きに不安がある場合は、こうした支援団体へ相談することで、利用できる制度や相談先について情報を得られることがあります。
また、手続きに関する相談や生活面の支援について継続的に相談できる場合もあります。
一人で手続きを進めることに不安がある場合は、信頼できる支援機関のサポートを受けながら対応を進めることも検討してみましょう。
※1出典:東京弁護士会「生活保護相談」参照:2026.6.19
※2出典:「日本司法支援センター法テラス」参照:2026.6.19
8.よくある質問

①停止・廃止通知が届いたらすぐに生活保護費の支給は止まりますか?
停止や廃止の効力が発生する時期は通知書の内容によって異なります。まずは通知書に記載された効力発生日を確認しましょう。
なお、不服申立てや審査請求を行った場合でも、原則として停止や廃止の決定が直ちに取り消されるわけではありません。生活費に不安がある場合は、利用できる支援制度について福祉事務所や自治体へ相談してみましょう。
②不服申立ての期限を過ぎてしまった場合はどうすればよいですか?
期限を過ぎた場合でも、まずは福祉事務所や専門家へ相談してみましょう。やむを得ない事情があった場合は、その事情について確認してもらえる可能性があります。
また、現在の生活状況によっては、生活保護の再申請について相談できる場合もあります。状況に応じた対応を確認することが大切です。
③廃止決定を受けた場合、すぐに新規申請をした方がよいですか?
廃止後に生活に困窮している場合は、生活保護の再申請について福祉事務所へ相談できます。
また、廃止決定に納得できない場合は、不服申立てや審査請求を検討することも可能です。状況に応じて適切な対応を確認しましょう。
④生命保険の解約を指導されましたが、医療費が心配です。解約せずに済む方法はありますか?
生命保険の取扱いは、契約内容や解約返戻金の状況などを踏まえて判断されます。
医療上の事情など、保険契約について確認したい事情がある場合は、その内容を福祉事務所へ相談してみましょう。必要に応じて診断書などの資料を準備することも検討できます。
⑤収入認定に誤りがあると思いますが、どのように証明すればよいですか?
給与明細書、収入申告書、通帳の写し、領収書など、収入や支出を確認できる資料を整理しましょう。通知書の内容と実際の収入状況を照らし合わせ、相違があると考える点を福祉事務所へ確認します。
⑥審査請求中の生活費はどのように確保すればよいですか?
生活費に不安がある場合は、生活福祉資金貸付制度や食料支援など、利用できる支援制度がないか確認してみましょう。利用できる支援は状況によって異なるため、社会福祉協議会や自治体の相談窓口へ相談することも大切です。
⑦専門家に相談したいのですが、費用の心配があります。無料相談はありますか?
収入や資産の状況によっては、法的支援制度を利用できる場合があります。
また、NPO法人や社会福祉協議会などが相談支援を行っていることもあるため、利用できる支援制度について確認してみるとよいでしょう。リライフネットでも生活保護に関するご相談を無料で受け付けていますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
9.まとめ

この記事では、生活保護の停止・廃止への対応方法や不服申立て・審査請求の進め方についてご紹介しました。
「生活保護の停止や廃止によって今後の住まいや生活に不安がある」「再申請を検討しているが、一人で手続きを進めることが難しい」「住居の確保と生活保護の申請についてまとめて相談したい」 などの場合には、リライフネットへご相談ください。
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