借金を抱えながら生活保護を受給している方は少なくありません。しかし、適切な債務整理を行えば、経済的な負担を軽減し再スタートを切ることが可能です。この記事では、生活保護受給中に選べる債務整理の方法や注意点、相談先について詳しくご紹介します。

1.生活保護と債務整理の基本知識

生活保護を受給している方の中には、借金問題に悩む方も少なくありません。ここでは、生活保護受給中の借金問題の現状と、債務整理の基本的な仕組みについて解説します。

①受給中の借金問題の現状

生活保護を受給している方の中には、やむを得ず借金を抱えてしまうケースが少なくありません。背景には、家賃や光熱費の不足、医療費や突発的な出費など、最低限の生活費だけでは賄いきれない現実的な課題があります。アンケート調査※1によれば、生活保護受給者が借入を検討する理由として「家賃・光熱費の支払いが厳しい」「急な冠婚葬祭など突発的な出費」「医療費や通院交通費の負担」などが挙げられています。こうした状況下で、やむを得ず借入を行い、返済が困難となるケースが増えています。

生活保護費は最低限度の生活を保障するためのものであり、借金返済に充てることは原則として認められていません。福祉事務所は生活保護受給者の銀行口座の取引履歴を調査する権限を有しており、生活保護費を借金返済に流用した場合、支給停止や返還請求などの厳しい対応が取られることがあります。したがって、借金問題を抱える場合は、返済に固執せず、債務整理などの法的手続きを検討することが重要です。

※1参考:ミライドア株式会社「生活保護受給者がお金を借りることについてのアンケート」参照2025.06.27

②債務整理とは何か?主な3つの方法

債務整理は、借金の返済が困難になった場合に、法律に基づいて借金問題を解決するための手続きです。主な方法として「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3つがあります。それぞれの特徴について詳しくご説明します。

1-自己破産

自己破産は、裁判所に申立てを行い、認められると借金の返済義務が原則すべて免除される手続きです。生活保護受給者のように返済能力がない場合に選択されることが多く、借金から完全に解放される点が最大の特徴です。ただし、税金や養育費など一部の債務は免除の対象外となります。また、一定以上の価値がある財産は処分の対象となる場合がありますが、生活に必要な最低限の財産は手元に残せます。

2-個人再生

個人再生は、裁判所を通じて借金の総額を大幅に減額し、原則3年間(最長5年)で計画的に返済する制度です。※2例えば、借金が600万円の場合、個人再生によって5分の1の120万円まで減額され、毎月の返済負担が大きく軽減されます。※3また、住宅ローン特則を利用すれば、持ち家を手放さずに済む場合もあります。自己破産と異なり、一定の安定収入が必要であり、返済が完了すれば残りの債務は免除されます。

3-任意整理

任意整理は、裁判所を介さず、債権者と直接交渉して借金の返済条件を見直す手続きです。主に将来利息のカットや返済期間の延長によって、毎月の返済負担を軽減します。元本の減額は原則ありませんが、安定した収入があれば利用しやすい方法です。弁護士や司法書士を通じて手続きを進めるのが一般的で、裁判所を利用しないため手続きが比較的簡単です。

※2参考:e-Gov「民事再生法第229条第2項」参照:2025.06.27

https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225#Mp-Ch_13-Se_1-At_229

※3参考:e-Gov「民事再生法第231条」参照:2025.06.27

https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225#Mp-Ch_13-Se_1-At_231

2.生活保護受給中の債務整理は可能?

生活保護を受給している方が借金問題を抱えている場合、「債務整理ができるのか」「生活保護費で返済できるのか」「返済を続けるリスクはあるのか」といった疑問を持つことが多いです。ここでは、生活保護受給中の債務整理の可否や注意点について解説します。

①生活保護中でも債務整理できる?

生活保護受給中でも債務整理は可能です。債務整理は、借金の返済が困難な方が経済的再建を目指すための法的手続きであり、職業や立場を問わず利用できます。特に生活保護受給者は、返済原資がないため「自己破産」を選択するケースが多くなります。自己破産を申し立てることで、原則としてすべての借金の返済義務が免除され、生活再建の一歩を踏み出すことができます。なお、手続き費用が心配な場合は、法テラスの法律扶助制度を利用することで、弁護士費用の立替えや分割払いも可能です。

②生活保護費で借金返済はできるのか

生活保護費は、健康で文化的な最低限度の生活を維持するために支給されるものであり、借金返済に充てることは法律上認められていません。生活保護法の趣旨に反するため、保護費を借金返済に使うことは「不適切な支出」とされます。もし生活保護費から返済を行った場合、福祉事務所から「返済に回せる余裕があるなら保護は不要」と判断され、保護費の減額や支給停止、最悪の場合は廃止となるリスクがあります。借金返済のための支出は、生活費の用途に含まれない点に注意が必要です。

③生活保護と借金返済のリスク

生活保護受給中に借金返済を続けたり、借金を隠して申告しなかったりすると、不正受給とみなされる可能性があります。生活保護法では、収入や資産の状況を正確に申告する義務があり、借金をした場合や返済した場合は、速やかに福祉事務所へ報告しなければなりません。※4

これを怠ると、過去の保護費の返還請求や、保護の停止・廃止、さらには刑事罰(3年以下の懲役または100万円以下の罰金)を受けるリスクがあります。※5

生活保護費の用途や借金の扱いについては、必ず専門家や福祉事務所に相談し、適切な対応をとることが重要です。

※4参考:e-Gov「民事再生法第61条」参照:2025.06.27

https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144#Mp-Ch_10-At_61

※5参考:e-Gov「民事再生法第85条」参照:2025.06.27

https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144#Mp-Ch_13-At_85

3.生活保護受給中の最適な債務整理の方法とは?

生活保護を受給している方が借金問題を解決するためには、どの債務整理方法が現実的かを正しく理解することが重要です。ここでは、自己破産が最も適している理由や、任意整理・個人再生が難しい背景、特定調停など他の制度の利用可否について解説します。

①自己破産が最も現実的な理由

生活保護受給者にとって、自己破産は最も現実的で有効な債務整理方法です。自己破産は、裁判所の手続きを経て借金の返済義務が原則すべて免除されるため、返済原資がない生活保護受給者でも利用できます。自己破産をしても生活保護の受給資格や支給額に影響はなく、借金の督促からも解放され、生活費を本来の用途に充てることができます。弁護士費用の支払いが困難な場合でも、法テラスの法律扶助制度を活用すれば費用負担を抑えて手続きが可能です。

②任意整理・個人再生が難しい理由

任意整理や個人再生は、借金の一部減額や返済計画の見直しによって債務を整理する方法ですが、いずれも「毎月の返済が必要」という前提があります。生活保護費は最低限度の生活を維持するためのものであり、借金返済に充てることは認められていません。そのため、安定した収入がない生活保護受給者は返済計画を立てることができず、任意整理や個人再生の利用は現実的ではありません。債権者側も生活保護費を原資とした返済案には応じないため、和解交渉や再生計画の認可が難しいのが実情です。

③特定調停や他の救済制度は利用できる?

特定調停は、裁判所を介して債権者と返済条件を調整する制度ですが、こちらも「返済能力があること」が前提となります。生活保護受給者の場合、返済に充てる収入がないため、特定調停の申し立てをしても却下される可能性が高く、実際には利用が難しいといえます。

したがって、生活保護受給中の方が借金問題を根本的に解決するには、自己破産が最も現実的な選択肢となります。

4.まとめ

この記事では、生活保護受給中の債務整理に関する方法と注意点についてご紹介しました。「生活保護費で借金返済ができない」「自己破産以外の債務整理が難しい」「借金問題で生活再建を目指したい」といった場合には、リライフネットへご相談ください。

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