
ホームレス状態から抜け出すためには、適切な支援制度や団体のサポートを知り、活用することが重要です。本記事では、住居確保給付金や生活保護などの公的制度、NPOや地域団体による支援活動、就労・医療・生活再建に向けた具体的なステップをわかりやすく解説します。
1.ホームレス状態とは?現状と背景

近年では、失業や病気、家族関係の崩壊、経済的困窮など、複雑な事情が重なって住まいを失うケースが増えており、単なる「住居の喪失」以上の深刻な社会問題となっています。ここでは、ホームレス状態の定義や日本における現状、そしてその背景にある課題について解説します。
①日本におけるホームレスの定義
「ホームレス」とは、住居を持たず公園や河川敷、駅などで寝泊まりする人を指します。ピーク時に比べると減少していますが、都市部に集中しており、依然として社会課題として残っています。
参考:厚生労働省「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」
②ホームレスに至る主な原因(失業・病気・家庭問題など)
ホームレスになる背景は一つではなく、失業や収入減、病気や障害、家庭不和、DVなどさまざまな要因が絡み合います。経済的困窮に加え、家族や地域社会とのつながりを失うことで住居を喪失し、路上生活に至るケースが多くあります。
③ネットカフェ難民との違い
「ネットカフェ難民」や「住居喪失不安定就労者」と呼ばれる人々は、カプセルホテルやインターネットカフェを利用して寝泊まりしています。路上生活とは異なりますが、安定した住居を持たない点で共通しており、生活困窮者自立支援制度などの対象になるケースもあります。
2.ホームレスから抜け出すための基本的な流れ

ホームレス状態から脱出し、自立した生活を取り戻すためには、段階的な支援と正しい知識が欠かせません。いきなり仕事や住まいを得るのは難しい場合もありますが、公的制度や支援団体を活用することで、少しずつ生活を立て直すことが可能です。
①安心できる一時的な住居を確保する
まず必要なのは、安全に眠れる場所を確保することです。自治体が運営するシェルターや一時宿泊施設、NPOが運営する施設を利用すれば、路上生活から抜け出す第一歩を踏み出せます。そこから制度利用につながるケースが多くあります。
②生活保護や住居確保給付金を活用する
生活保護は路上生活者でも申請可能で、住居を確保するための住宅扶助や生活費を補うための生活扶助を受けられます。また、働く意思がある人は「住居確保給付金」を活用して家賃を補助してもらい、就労活動を続けることができます。
③就労準備から就職へステップアップする
住居と生活費を確保した後は、就労を目指すことが自立への道です。自治体やハローワークが提供する「就労準備支援プログラム」で生活リズムを整え、職業訓練や求人紹介を受けることで安定した仕事につながりやすくなります。
参考:厚生労働省「就労準備支援事業の手引き」
3.住居確保に関する解決策

現在は、住居確保給付金や一時的な宿泊支援、NPOによるサポートなど、さまざまな支援策が整備されています。ここでは、住居を確保するために活用できる具体的な制度や支援の選び方について詳しく解説します。
①シェルターや一時宿泊施設を利用する方法
路上生活者を対象としたシェルターや一時宿泊施設は、食事と相談支援がセットで提供されることが多いです。利用は数日から数週間程度ですが、ここで支援者とつながり、生活保護や住居支援につなげるきっかけになります。
②公営住宅・UR賃貸など保証人不要の住まい
UR賃貸住宅は保証人や保証会社が不要で契約できます。一方、公営住宅は自治体により条件が異なり、保証人が必要となる場合や保証会社の利用、あるいは緊急連絡先の届出が求められる場合があります。いずれも民間賃貸と比べると利用しやすい制度であり、保証人がいない場合でも住居確保につながる選択肢となります。特にURは保証人・礼金不要で、敷金のみで契約できます。低所得世帯向けの制度もあるため、ホームレス状態から住居を確保する現実的な選択肢です。
③NPOが運営する住居支援の取り組み
NPO法人「もやい」や「山友会」などは、一時的に住まいを提供したり、アパート入居をサポートする活動を行っています。制度だけではカバーできない部分を支える存在で、利用者にとって大きな支えとなります。
4.生活費・医療に関する解決策

収入がない、あるいは不安定な状況では、生活の立て直しが困難になります。このような課題に対応するため、生活保護制度や医療扶助、無料・低額診療をはじめとした公的支援が用意されています。この項目では、生活費や医療に関する具体的な支援策とその利用方法について解説します。
①生活保護の生活扶助・医療扶助を活用する
生活保護を受ければ、生活扶助で食費や光熱費をまかない、医療扶助で病院にかかることができます。路上生活で健康を損ねた場合でも、費用を気にせず治療を受けられることは大きな安心につながります。
②無料低額診療事業や地域の医療支援
生活保護に至る前の段階でも、「無料低額診療事業」を実施している医療機関なら費用を抑えて治療が受けられます。地域の医師会やNPOと連携した医療ボランティアもあり、体調を回復する支えとなります。
③高齢・障害を抱える人への特別な支援策
高齢者や障害を持つ人がホームレス状態にある場合、介護保険サービスや障害者総合支援法に基づく福祉サービスを利用できます。これにより、福祉施設やグループホームで生活を再建する道も開かれます。
5.就労につながる解決策

安定した生活を取り戻すためには、収入源となる仕事を見つけることが大きなステップとなります。ここでは、就労につながる具体的な支援策とその活用法を紹介します。
①就労準備支援プログラムで生活リズムを整える
長期の路上生活で生活リズムを失った人向けに、軽作業や社会参加の機会を提供する就労準備支援があります。規則正しい生活を取り戻すことは、就職につながる第一歩です。
②ハローワークや自治体の就労支援窓口
ハローワークには、生活困窮者専用の窓口が設けられ、履歴書の書き方や面接練習、求人紹介を受けられます。自治体でも短期就労事業を実施しており、段階的に就労を進められる体制があります。
③NPOや社会的企業による雇用機会の提供
「ビッグイシュー」などのNPOは、雑誌販売を通じて路上生活者に収入を得る機会を提供しています。社会的企業も清掃や農作業を通じて就労体験を提供しており、社会復帰のきっかけになっています。
参考:ビッグイシュー基金
6.地域やNPOによる支援活動

ホームレス状態からの脱出を支援する取り組みは、福祉事務所だけでなく、地域のボランティア団体やNPO法人によっても幅広く行われています。ここでは、地域やNPOが実施している具体的な支援活動とその活用方法について紹介します。
①炊き出し・夜回り・相談活動の役割
NPOや宗教団体は定期的に炊き出しや夜回りを行い、食事や衣類の提供だけでなく、困りごとを聞き取って支援機関につなげています。これにより、制度にアクセスできない人を支える「入口」として機能しています。
②ボランティアや寄付で支えられる仕組み
市民はボランティアや寄付を通じて支援活動に参加できます。炊き出しや清掃活動、衣類の提供などがあり、金銭的な寄付はNPO運営の大きな支えとなります。市民の参加があってこそ、継続的な支援が可能となります。
③主要NPO団体の紹介(もやい・山友会・ビッグイシュー基金など)
「もやい」は相談窓口と住居支援を行い、「山友会」は炊き出しや医療支援を展開しています。「ビッグイシュー基金」は雑誌販売と寄付を通じて自立支援を行っています。全国に広がる団体の存在がホームレス支援を支えています。
7.ホームレス問題を解決するための社会的課題

現実には、住宅の確保が難しい制度の壁、就労機会の不足、支援への偏見や情報格差など、多くの社会的な課題が存在しています。ここでは、ホームレス問題を解決するために乗り越えるべき社会的課題と、今後に向けた取り組みの方向性について考察します。
①制度利用への壁(知らない・申請できない)
制度が整備されていても、当事者が知らなかったり、申請に抵抗を感じたりして利用につながらないケースが多くあります。そのため支援者が手続きをサポートする体制が必要です。
②地域社会の偏見や理解不足
ホームレスに対する偏見や差別は依然として根強く、地域に住むこと自体が難しくなるケースがあります。社会全体で理解を深める取り組みが求められています。
③支援につなげる アウトリーチ活動の必要性
支援制度の存在を知らない人に届けるためには、現場に出向いて声をかけるアウトリーチ活動が不可欠です。夜回りや相談活動を通じて、支援につながるきっかけを作ることが今後の課題です。
8.ホームレスの解決策についてよくある質問(FAQ)

ホームレス状態から抜け出すための制度や支援はさまざまありますが、疑問や不安の声が多く寄せられます。ここでは、ホームレスの解決策に関してよくある質問を取り上げ、制度の利用に役立つ情報をわかりやすく解説します。
①住所がなくても生活保護は受けられますか?
生活保護は住所がなくても申請可能です。福祉事務所に相談すれば、ケースワーカーが状況を確認し、住居確保を含めた支援につなげます。
②保証人がいなくても賃貸契約はできますか?
UR賃貸住宅は保証人・保証会社ともに不要で契約できます。公営住宅は自治体によって条件が異なり、保証人が必要な場合や、保証会社の利用、緊急連絡先の届出が求められることがあります。保証会社を利用できる民間賃貸も選択肢となるため、保証人がいない場合でも住まいを確保できる可能性があります。
③治療を要する場合医療の支援は受けられますか?
病気がある場合でも、生活保護の医療扶助を利用すれば、自己負担なく診療や入院が受けられます。また、生活保護の申請前でも「無料低額診療」を実施している医療機関であれば、費用を抑えて治療につながる支援を受けることができます。
④家族がホームレスになったときの対応はどうすれば良いですか?
まずは自立相談支援機関や福祉事務所へつなぐことが大切です。本人が拒む場合は、NPOを通じたアプローチも有効です。
9.ホームレスから脱出するための第一歩を踏み出そう

ホームレス状態を脱出するためには、住居・生活費・就労・医療の4つの柱を活用することが不可欠です。福祉事務所の制度とNPO活動は連携しており、誰でも支援を受けられる仕組みがあります。困難な状況にあっても、まずは最寄りの自立相談支援機関や福祉事務所に相談することが、自立への第一歩になります。
この記事では、ホームレス状態からの解決策についてご紹介しました。「住居が確保できなくなりそうで心配」、「制度や支援先が分からず、どこに相談すればよいか迷っている」などの場合には、リライフネットへご相談ください。
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