
生活に困っていると感じたとき、どこに相談すればよいのか迷う方は少なくありません。特に生活保護の申請を検討している段階では、不安や疑問が多く、誰に何を相談すればよいか分からなくなることもあります。そんなときに頼りになるのが、福祉事務所のケースワーカーです。この記事では、ケースワーカーの役割や相談できる内容、生活保護を申請する前に知っておきたい基本事項を整理し、必要な支援につながるためのポイントをわかりやすく解説します。
1.ケースワーカーとは何をしてくれる人なのか

ケースワーカーとは、主に福祉事務所に所属して生活に困っている方の相談や支援を行う専門職です。単に書類の手続きをするだけでなく、相談者一人ひとりの状況に応じて必要な支援を提案し、具体的な生活の改善を図る役割を担っています。生活保護制度に関する窓口となるだけでなく、健康や住居、就労など、生活全般に関わる問題に対して柔軟に対応します。
こうした理由から、ケースワーカーは相談者の経済的状況を把握するだけでなく、精神的な不安や家族関係、健康状態など、複合的な要因を総合的に見て支援を組み立てていきます。多くの場合、ケースワーカーは複数の制度や地域資源を活用しながら、相談者が抱える課題に対して最も適した方法を模索します。
参考:厚生労働省「福祉事務所ケースワーカー」
2.生活保護の相談をする前に知っておきたい基礎知識

生活保護は、国が定めた最低限度の生活を保障する制度です。しかしその利用には一定の要件があり、すぐに誰でも受けられるわけではありません。生活保護を検討している方にとって、制度の仕組みを理解することは非常に重要です。
まず、生活保護には「資産や収入が最低生活費を下回っていること」が基本的な要件として求められます。ここでいう最低生活費とは、住んでいる地域や家族構成などによって異なり、個別に計算されます。そのため、自分が対象であるかどうかを判断するためには、詳細な確認が必要となります。
また、生活保護を受ける前に、他の支援制度や家族からの援助が可能であるかも確認されます。これには、年金や失業給付、障害者手当なども含まれ、これらの収入がある場合、それを差し引いて生活保護費が支給される仕組みです。福祉事務所では、こうした制度の併用に関して丁寧に説明を受けることができます。
制度の説明を受けた上で、「本当に自分に必要な支援なのか」を判断するプロセスも重要です。福祉事務所の職員は、制度の利用を強制することはありません。むしろ、相談者自身が納得して生活保護を申請できるよう、選択肢を提示しながら支援を行います。これにより、制度への誤解や不安を取り除き、自分にとって最もふさわしい道を選ぶことができます。
3.ケースワーカーに相談できる内容とは

ケースワーカーに相談できるのは、生活保護に関することだけではありません。実際には、日々の暮らしに関わるさまざまな問題について相談することが可能です。たとえば、仕事を失ったことによって収入が途絶えてしまった場合、今後の生活設計や就労支援についても話し合うことができます。
また、健康上の問題を抱えている方には、医療機関と連携した支援を紹介してくれることもあります。一例として、長期間の通院が必要な場合や精神的な不調を感じている場合には、医療扶助の利用や専門機関への紹介を通じて、症状の改善と生活の安定を目指します。
精神的な不安や孤独感を抱えている方にとっては、話を聞いてくれる存在がいるだけで安心感を得られることもあります。ケースワーカーは、相談者の話に耳を傾け、必要に応じて地域の支援団体やボランティア団体との橋渡しを行うこともあります。こうしたつながりを持つことで、生活が孤立しないように配慮されているのです。
さらに、家庭内での問題、たとえばDVや育児放棄のような深刻なケースについても、ケースワーカーは専門機関と連携を取りながら対応します。相談内容が複雑であっても、適切な部署や専門家と連携して支援の輪を広げていくのがケースワーカーの仕事です。
①住まいや食事に関する支援も相談できる
生活が不安定になると、まず最初に直面するのが「住まい」と「食事」に関する問題です。安定した住居がない場合、生活保護の相談自体も難しく感じるかもしれませんが、実はこうした状況でもケースワーカーに相談することが可能です。
住む場所がなく一時的にネットカフェや知人宅を転々としている方に対しては、一時的な宿泊施設や生活支援施設の紹介を受けられることがあります。こうした施設では、住まいの確保だけでなく、生活全般にわたる支援が受けられる体制が整っており、ケースワーカーが状況を把握しながら支援計画を立ててくれます。
また、食事に関しても、収入が極めて少ない状況であれば、フードバンクや地域の炊き出し、社会福祉協議会による食糧支援の案内を受けることができます。ケースワーカーは、これらの地域資源を熟知しており、状況に応じて最適な支援をつなげてくれます。
下記の表では、住まいと食事に関する支援の一例を紹介します。状況によって支援内容は異なりますが、相談することで新たな選択肢が見えてくることも多いのです。

参考:厚生労働省「一時生活支援事業の手引き」
参考:NPO法人 日本フードバンクシステム
参考:ビッグイシュー基金「食べるものがないとき:東京の炊き出し・食料支援情報」
こうした支援を受けるためには、まず自分の現状を率直に話すことが第一歩となります。ケースワーカーは相談者の立場に寄り添って対応してくれますので、遠慮せずに現状を伝えることが大切です。
②就労支援や社会復帰に向けたサポートも
生活保護を受けながらも、将来的には自力で生活していきたいと考える方は多くいらっしゃいます。そうした希望に応えるために、ケースワーカーは就労支援や職業訓練、社会復帰に向けたプログラムへの参加を提案することがあります。
たとえば、ハローワークと連携した職業紹介や、就労準備支援事業を通じたスキルアップ支援などがあり、段階的に仕事に就けるような体制が整っています。長年働いていなかった方や、体調面に不安のある方でも無理なく取り組めるよう、職場実習や面接練習なども含まれています。
こうした支援を通じて、生活保護に依存することなく、自立した生活を目指すことが可能になります。もちろん、無理に就労を促すのではなく、相談者の体調や意欲、家庭状況を十分に考慮した上で支援が行われますので、自分のペースで進めることができます。
4.借金や収入がある場合でも相談していいのか

①借金があると生活保護は受けられない?という誤解
生活に困っていると感じていても、借金があるから生活保護は受けられないのではないか、と不安に思う方は少なくありません。実際、窓口での相談時にも「借金があるのですが、それでも相談していいのでしょうか」という質問が多く寄せられています。しかし、借金があること自体が生活保護の申請を妨げる理由にはなりません。重要なのは、借金の内容や返済状況、そして現在の生活がどの程度逼迫しているかという点です。
たとえば、消費者金融などからの借入れがあり返済が困難である場合でも、生活保護制度は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために存在しています。借金の返済よりも、まず日々の生活が成り立たない状態であれば、保護の対象となる可能性は十分にあるのです。実際の審査では、個別事情により判断されますが、借金があることだけで直ちに申請が認められないわけではありません。
②アルバイト収入があっても相談できる
また、少額でも収入がある場合、「自分は完全に無収入ではないから生活保護の対象ではない」と考えてしまうこともあります。しかし、生活保護は無収入の人だけの制度ではありません。たとえば、アルバイトやパートで月に数万円の収入があっても、生活費や家賃などに足りない場合、その不足分を補う形で保護が適用されることがあります。このように、収入があること自体が相談を妨げる理由にはなりません。
制度の仕組みとしては、収入がある場合、その金額を基準に「必要な生活費との差額」が支給される方式です。つまり、自助努力をしている方が不利益を受けるわけではなく、むしろ可能な範囲で働きながら不足分を補う仕組みとなっています。相談時には、現在の収入状況を正直に伝えることが大切です。
※1出典:仙台市「生活保護についてのよくある質問」参照:2026.04.02
5.誰にも知られずに相談できるプライバシーの配慮

①相談内容は守秘義務の対象
生活保護の相談をためらう理由のひとつに、「周囲に知られたらどうしよう」という不安があります。特に、近隣住民や親族からの視線を気にしてしまい、相談に踏み出せない方も少なくありません。しかし、福祉事務所では相談者のプライバシーを保護するため、職員には厳格な守秘義務が課されています。相談内容が外部に漏れることは、原則としてありません。
また、相談を行う際には個別の相談室で対応が行われるため、他の来所者と顔を合わせることなく安心して話すことができます。電話での事前予約や、希望すれば女性の相談員を指名することも可能な場合があります。こうした配慮は、相談のハードルを下げるための重要な仕組みとして機能しています。
②調査で親族に連絡されることもあるが、強制ではない
生活保護の申請後には、扶養照会という形で親族に連絡がいくことがあります。これは制度上、まず身近な親族からの援助が可能かどうかを確認するための手続きですが、必ずしも援助を強制するものではありません。実際には、高齢の親や疎遠な兄弟姉妹など、親族が経済的に支援できないケースも少なくありません。
また、家庭の事情や過去のトラブルにより、どうしても親族に知られたくないという事情がある場合には、その旨を相談時に正直に伝えることで、照会を行わない選択がされることもあります。プライバシーへの配慮は、制度運用の中でも重視されています。
6.相談後の流れと生活保護申請までのステップ

①初回相談から申請までの道のり
福祉事務所での初回相談では、現在の生活状況や収入、資産、家族構成などの基本的な事情を丁寧に聴取されます。その後、生活保護の対象となる可能性があると判断された場合、申請書類の案内が行われ、必要書類の提出を求められます。※1
具体的には、収入証明、賃貸借契約書、通帳のコピー、身分証明書などが該当します。これらの資料をもとに、福祉事務所は保護の必要性と適用の可否を判断します。審査期間は原則2週間で、調査等が長くなる場合1か月以内です。その間に家庭訪問や詳細な聞き取りが行われることもあります。
②申請後も継続的な支援がある
生活保護の支給が決定された後は、定期的な訪問や面談を通じて、生活状況の確認や自立への支援が行われます。たとえば、就労支援プログラムへの参加や、健康管理の助言、家計の見直しなど、生活の再建に向けた継続的な支援が提供されます。
また、状況に変化があった場合には、保護費の額が見直されることがあります。そのため、収入や家族構成、健康状態などに変更があった際には、福祉事務所へ報告(相談)することが大切です。制度を最大限に活用するためにも、日頃からケースワーカーと情報を共有しながら、連携していくことが望ましいといえるでしょう。
※1出典:認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい「生活保護制度」参照:2026.04.02
7.まとめ

生活保護の相談に踏み出す際、「自分が対象になるかわからない」「他の人の方がもっと困っている」と感じて、ためらってしまう方も少なくありません。しかし、生活保護は生活が成り立たなくなったときに最低限度の生活を支える制度であり、必要なときに相談し、支援につながることは大切な選択肢のひとつです。
福祉事務所のケースワーカーには、生活保護に限らず、住まい、仕事、健康、家計など生活全般について相談できます。早い段階で状況を整理し、利用できる支援制度を確認することで、負担や不安が軽くなることもあります。
この記事では、ケースワーカーに関する相談内容についてご紹介しました。「ケースワーカーに相談したいことがある」「生活が苦しくなってきた」などの場合には、リライフネットへご相談ください。
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