生活保護を受給しながら転居を考えている方へ。この記事では、転居の手続きや必要書類、費用支給の条件、物件探しのポイントまで、知っておきたい情報を詳しく解説します。

1.生活保護受給中でも転居はできる?基本ルールと注意点

生活保護を受給中の方でも、一定の条件を満たせば転居は可能です。しかし、転居には福祉事務所の許可やいくつかの注意点があります。ここでは、転居が認められる理由や制限事項について詳しく解説します。

①どんな理由なら転居が認められる?

主に認められる理由は以下の通りです。

・現在の住居が老朽化や破損で安全に住めなくなった場合
・火災や災害で住まいが消滅した場合
・家主から立ち退きを求められた場合
・家賃が住宅扶助の上限を超え、住み替えが必要とされた場合
・病気や障害のため、住環境の改善が必要と認められた場合
・就労先が遠方で通勤が困難な場合
・施設退所後に住居が必要となった場合

これらの理由が認められると、転居費用や新たな住居の敷金なども福祉事務所から支給される可能性があります。

②転居できないケースや制限事項

一方で、生活保護を受給中の方が自由に転居できるわけではありません。例えば、次のような理由では許可が下りないことが多いです。

・より広い部屋に住みたい
・ペットを飼いたい
・単なる自己都合による転居

また、無許可で転居した場合や、自己都合による転居を繰り返すと、転居費用の支給が認められないだけでなく、生活保護の継続が難しくなることもあります。さらに、転居先の家賃が住宅扶助の上限を超えていたり、転居理由が不明確な場合も許可されません。転居を検討する際は、まず福祉事務所のケースワーカーに相談し、正当な理由と必要性を具体的に説明することが大切です。

2.転居の手順と必要な手続き

生活保護を受給中の方が転居を希望する場合、手続きにはいくつかの段階と注意点があります。ここでは、転居をスムーズに進めるための流れと必要な準備について解説します。

①ケースワーカーへの相談が最初の一歩

まず、転居を希望する場合は必ず福祉事務所のケースワーカーに相談しましょう。転居の理由や必要性を説明し、許可を得ることが重要です。主な相談ポイントは以下の通りです。

・転居の理由(家賃の値上げ、老朽化、立ち退き要請、健康上の事情など)
・現在の住環境や困っている点
・希望する転居時期

ケースワーカーは、申請内容をもとに転居の必要性を判断します。

②転居申請の流れと必要書類

転居が認められた場合、次のような流れで手続きを進めます。

・転居先の物件を探す
・物件が決まったら福祉事務所に報告
・引越し業者の見積書を取得・提出
・必要書類(賃貸借契約書、見積書、生活保護受給証明書など)を準備
・福祉事務所の承認後、契約・引越し手続きを行う

物件や引越し業者との契約は、必ず福祉事務所の許可を得てから進めてください。

③転居先の条件

転居先の物件は、住宅扶助の上限額内で選ぶ必要があります。上限額は自治体や世帯人数によって異なるため、事前にケースワーカーに確認しましょう。また、共益費や管理費は住宅扶助の対象外となるため、注意が必要です。不動産会社には生活保護受給者であることを伝え、入居可能な物件を紹介してもらうことが大切です。

3.転居費用はどこまで支給される?支給対象と注意点

生活保護受給中の方が転居する際、どこまで費用が支給されるのかは多くの方が気になるポイントです。転居費用には支給対象となるものと自己負担となるものがあり、また自治体ごとに条件や範囲が異なります。ここでは、敷金・礼金・仲介手数料・引越し費用などの支給範囲や注意点について解説します。

①敷金・礼金・仲介手数料・引越し費用の支給範囲

生活保護を受給中の方が福祉事務所の許可を得て転居する場合、転居に必要な費用の多くが「住宅扶助」や「一時扶助」として支給されます。主な支給対象は以下の通りです。

・敷金・礼金
・仲介手数料
・引越し業者への費用
・保証会社の初回保証料
・火災保険料
・前家賃
・鍵交換費用(自治体による)

これらの費用は、原則として住宅扶助の上限額や自治体ごとの規定内で支給されます。特に引越し業者への費用は「相場の範囲内」であれば全額支給されることが一般的ですが、過度に高額なプランや不要なオプションは認められません。

②支給されない費用や自己負担になるケース

一方で、転居に伴うすべての費用が支給されるわけではありません。支給対象外となる主な費用は以下の通りです。

・管理費・共益費
・水道光熱費
・クリーニング代や消毒費
・安心サポートや24時間サポートなどの任意サービス料
・過度な家財運搬費やオプションサービス
・故意や重過失による原状回復費用

これらは生活扶助や自己負担で賄う必要があります。また、自己都合による転居(たとえば「広い部屋に住みたい」「ペット可物件に移りたい」など)の場合は、転居費用の支給が認められず、全額自己負担となります。

③費用支給の条件と自治体ごとの違い

転居費用が支給されるには、「やむを得ない事情」が必要です。例えば、住居の老朽化や立ち退き命令、家賃の上昇、健康上の理由、就労のための転居などが該当します。支給額や支給範囲は自治体ごとに細かな違いがあり、住宅扶助の上限額も地域や世帯人数によって異なります。たとえば東京都23区の単身世帯では53,700円が上限ですが、他の地域では3万円台の場合もあります。※1※2

※1出典:厚生労働省「生活扶助基準額について」参照2025.6.27

※2出典:札幌市「生活保護法による保護の基準表」参照2025.7.31

4.生活保護受給者が物件を探すときのポイント

生活保護受給者が新たな住まいを探す際には、通常の賃貸契約とは異なる注意点や準備が必要です。ここでは、「生活保護可」の物件の探し方や不動産会社選び、入居審査で求められる書類やよくある質問について分かりやすく解説します。

①生活保護可の物件の探し方・不動産会社の選び方

生活保護を受給している方が賃貸物件を探す際は、まず福祉事務所のケースワーカーに相談し、住宅扶助の上限額や条件を確認することが重要です。物件探しは、不動産会社に「生活保護受給者であること」を最初に伝え、理解のある担当者や大家さんを紹介してもらうのがスムーズです。物件検索サイトを利用する場合は、「生活保護可」「生活保護相談可」などのキーワードで絞り込み、該当する物件を探しましょう。

探す際のポイントは以下の通りです。

・住宅扶助の上限額内で物件を選ぶ
・「生活保護可」と明記された物件を優先する
・条件を絞りすぎず、柔軟に検討する
・必要に応じて保証会社の利用も検討する
・不動産会社には事情を正直に伝える

生活保護受給者向けの物件は数が限られるため、希望条件にこだわりすぎず、ある程度譲歩することも大切です。

②入居審査で必要なもの・よくある質問

物件が決まったら、入居審査を受けることになります。審査時には、以下の書類や情報が必要です。

・生活保護受給証明書
・福祉事務所の承認書類
・賃貸借契約書(案)
・本人確認書類(身分証明書など)
・初期費用の見積書

よくある質問として、「生活保護受給者でも入居できるか」「保証人がいない場合はどうすればよいか」「家賃の支払い方法はどうなるか」などがあります。保証人がいない場合は、保証会社の利用を勧められることが多いです。また、家賃は福祉事務所から大家へ代理納付されるケースも多く、家賃滞納のリスクが少ないことをアピールすると審査が通りやすくなります。

5.引越し当日までの流れとチェックリスト

生活保護受給中の方が転居する際は、通常の引越しと比べて手続きや準備が多くなります。ここでは、引越し業者の選び方やライフラインの手続き、転居後に必要な届け出についてポイントをまとめます。

①引越し業者の選び方と見積もりの取り方

引越し業者を選ぶ際は、必ず福祉事務所(ケースワーカー)に相談し、見積もりを複数社から取得することが基本です。

・生活保護受給者向けのプランや実績がある業者を選ぶ
・見積書は福祉事務所に提出し、許可を得てから契約する

繁忙期(3~4月)は料金が高騰するため、できるだけ避けるのが望ましいです。

②ライフライン(電気・ガス・水道)の手続き

引越しが決まったら、早めにライフラインの停止・開始手続きを行いましょう。

・旧居の電気・ガス・水道の使用停止手続きを行う。(1~2週間前を目安)
・新居の電気・ガス・水道の使用開始手続きを行う。(同時に行うと忘れにくいです。)
・ガスの開栓は立ち会いが必要な場合が多いので、日程調整を忘れずにする。
・料金の支払い方法や契約内容も新居に合わせて確認する。

③転居後に必要な手続き(住民票・福祉事務所への報告など)

新居に移ったら、速やかに以下の手続きを行います。

・住民票の移動(転入届)を市区町村役場で行う。
・福祉事務所に新住所を報告し、生活保護の受給継続手続きを進める。
・各種公的サービス(国民健康保険、年金、NHK受信料など)の住所変更も忘れずに行う。
・郵便局で転居届を出し、郵便物の転送手続きをする。

これらの流れをチェックリストとして活用し、漏れなく手続きを進めることで、安心して新生活をスタートできます。

6.まとめ

この記事では、生活保護受給中の転居に関する手続きや費用支給の条件、物件探しのポイント、引越し当日までの流れと注意点をご紹介しました。「転居の理由が認められるか不安な場合」「転居費用の支給範囲を知りたい場合」「生活保護可の物件探しや手続きに困った場合」などの場合には、リライフネットへご相談ください。

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