ネットカフェってどんな場所?

ネットカフェは正式名称をインターネットカフェといい、有料でインターネットを利用できる施設のことを言います。ネットカフェやネット喫茶などとも呼ばれており、ドリンクバーで好きなドリンクを飲みながら過ごすことができます。

営業時間は24時間365日が基本なので、フラットスペースなどで仮眠をとることも可能です。施設によってはカギが付いた個室もあるので、カプセルホテル的な使い方もできます。

なぜネカフェで生活するのか

ネカフェは上記のとおり仮眠もとれる施設のため、居場所として落ち着かない場合でも雨風をしのぐことができます。

仕事がなくなったり減ったりして家賃が払えなくなった人は、大家さんから退去命令が出て賃貸から退去させられます。一時しのぎの宿泊場所としてネカフェを利用していると新たな住まいを探しづらくなり、長くなればなるほどネカフェ生活から抜けられなくなるのです。

ネカフェを転々としながら生活する人の多くがこういった理由でネカフェ生活に至ると言われており、俗に「ネカフェ難民」と呼ばれています。

ネカフェで生活すると困ること

ネカフェ生活はネカフェで寝泊りする、その日暮らしの一形態ということができます。ネカフェに住民票を置くことはできず、一定の住所もないことから様々な弊害が生じます。

最も困る点としては、住民票がないため公的サービスを受けられないというものがあります。生活困窮者を救済する生活保護は住民票の有無にかかわらず受けることができますが、住民票がないことを理由に申請を受け付けない自治体もあります。

郵便物や荷物を受け取りづらくなるデメリットもあります。宅配便の荷物であればコンビニを受け取り場所に指定することができますが、法律でいう信書は受け取れません。更新されるクレジットカードも信書に含まれるので、ネカフェ生活最大のデメリットと言えるでしょう。

定住所がないネカフェ生活では企業で敬遠されがちになり、安定した仕事が探しづらくなるという点も困りごとのひとつです。収入も不安定になるため、賃貸を借りて生活することがいっそう困難になります。

それに加えて日常生活も不安定な状態になるため、ちょっとしたきっかけで収入が途絶えてしまうと路上生活を強いられる可能性も出てきます。

このように、ネカフェ生活を続ければ続けるほど困りごとやリスクが増え続け、生活は苦しくなる一方になるおそれがあります。

実際にネカフェで生活するとどのくらいの費用がかかる?

ネカフェ生活を送る場合の生活費は、実際どのくらいかかるのでしょうか。ここでは東京都新宿区にあるネカフェを生活拠点とする場合、生活費の具体例を紹介します。

1日あたり12時間ネットカフェを利用した場合は、以下の金額が目安となります。

項目金額備考
基本使用料155,100円5,170円/日×30日
シャワー無料 
コインランドリー1,600円400円/週×4週
食費45,000円 
携帯電話代5,000円 
交通費その他15,000円 
合計221,700円 

ちなみに例示した施設の基本利用料は、9時間の利用でも1日4,130円かかります。24時間だと、利用料は1日あたり7,020円にアップします。

ネカフェ難民の中にはより費用を抑えるため、週の半分を屋外やネカフェ以外の夜間営業をしている施設で夜を過ごす人もいるようです。

しかし食費その他の費用は同じくらいかかるため、ネカフェの料金を半額にしても最低10万円の生活費がかかると考えておくべきです。費用節約のためにネカフェ生活をしても、思った以上に費用がかかることがわかるでしょう。

ネカフェと賃貸生活の比較【日常生活】

ネカフェ生活の事例だけでは、実際どのくらい困るのかイメージしづらい人がいるかもしれません。賃貸生活と比較した場合の違いを、いくつか考えてみましょう。

ネカフェに滞在する場合と賃貸生活における最大の違いは、安全な住環境の有無です。不特定多数の人が出入りするネカフェでは、たとえ個室だとしてもセキュリティ面で大きな不安があります。それに対し、賃貸に来るのは入居者や関係者が中心なので、ネカフェより安心して生活できます。

騒音の大小も、ネカフェと賃貸では差があります。ネカフェは基本的に間仕切りだけなので、「個室」であっても周囲の音が気になり、神経質な人は短時間の滞在でも不快感を覚えます。

個別の居住空間である賃貸の場合、壁やドアなどで音を遮ることになるため、うるさくて十分な休憩や休息がとれなくて困るという機会が激減します。

またネカフェで「生活」するにしても、滞在時間は限られています。もちろん、いったん店を出た後同じスペースを再度利用できるとは限りません。賃貸生活の場合は借りた部屋が住居となり、当然ですが同じ部屋を自由に出入りできます。

ネカフェと賃貸では、水回りの使い勝手も大きく異なります。ネカフェは滞在スペースも含め全てパブリックスペースのため、シャワーや水道水を使い放題というわけにはいきません。汚水や生ゴミを捨てる場所もありませんが、トイレに流したり下げ膳スペースに置いたりするのはマナー違反です。

これらの違いから総合的に判断すると、ネカフェ生活と賃貸生活の差は極めて大きく、賃貸生活の方が断然おすすめです。というよりも、ネフェではまともな生活が送れないと考えておくべきかもしれません。

ネカフェと賃貸生活の比較【費用】

ネカフェ生活と賃貸生活では、日常生活だけでなく費用面の違いもあります。

例として先に紹介したネカフェ生活の費用と、賃貸を借りた場合の生活費を比較してみましょう。

東京都新宿区にある、敷金保証金礼金不要・即入居可・駅から徒歩10分以内という条件の物件を借りた場合、以下の金額が目安になります。

項目金額備考
家賃87,000円ワンルーム平均
光熱水費10,000円電気・ガス・水道の合計
コインランドリー1,600円400円/週×4週
食費45,000円1,500円/日×30日
携帯電話代5,000円 
交通費その他15,000円 
合計163,600円 

単純比較でも6万円ほど少なくなり、さらに洗濯機が自宅にある場合はコインランドリーの料金がかかりません。上記のような日常生活面の違いもあわせて考えると、ネカフェ生活と賃貸生活とでは費用以上の差があることがわかります。

ネカフェ難民から脱却するには

社会情勢の変化により、ネカフェ難民になること自体はやむを得ないのかもしれません。しかしネカフェ生活から早期に脱却しないと、収入が不安定になることで生活も不安定になり、収入がより不安定になるという負の連鎖を断ち切ることが難しくなります。

生活を立て直すためには賃貸を借り、住環境を整えることが必須と言えます。しかしお金や身寄りがない人にとって、生活再建の第一歩を踏み出すための住まい探しは困難を極めます。そんな人におすすめしたいのが、リライフネットのサービスです。

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