日本は、生活が困難になった場合に受給できる生活保護や高齢者支援などの福祉が充実しています。なぜ、日本には誰もが平等に受けられる支援や保護があるのでしょうか?今回は、日本の福祉と福祉事務所の役割についてご紹介します。

1.そもそも「福祉」とは何か

日本における福祉とは、国が国民の生活の安定を図るために実施する公的扶助、各種支援施設などを指します。日本の国民は、誰もが平等に、必要なときに国からの支援を受けることが可能になっています。

福祉に関わる法令や福祉制度は、日本国憲法第二十五条に定められた基本理念によって整備されました。

第二十五条すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

e-GOV法令検索「日本国憲法」参照:2024.04.08

福祉制度の目的は、日本国憲法に定められた国民の権利である「健康で文化的な最低限度の生活」を守ることです。福祉の実現のためには、整備された法令や制度を具体的に実施する機関が必要です。そのため全国の都道府県と各市には、社会福祉行政機関として福祉事務所の設置が義務付けられています。町村では任意での設置となっており、設置されていない町村の業務は、都道府県が福祉事務所を設置して対応しています。

※出典 厚生労働省「福祉事務所」参照:2024.04.08

2.福祉課・福祉事務所とは

福祉課と福祉事務所は、どちらも厚生労働省の定める社会福祉行政機関であることに違いはありません。各種福祉の受付窓口となり、福祉支援に関わる手続きなどを行います。

①福祉事務所とは

東京都など人口が多い場所では福祉事務所が設置され、地区ごとに福祉課が設置されています。たとえば足立区の場合は、足立福祉事務所が設置されており、地区ごとに千住福祉課、東部福祉課、西部福祉課などに区分されています。

また市は、福祉事務所の設置が義務付けられ、人口の少ない地方の町村は、都道府県が各町村の業務をまとめて担当する福祉事務所を設置して対応します。

②福祉課とは

福祉課は、福祉事務所を地区で分ける場合と、業務で分ける場合があります。福祉事務所や自治体の福祉部の中に各種福祉課が設置されています。

福祉課には、担当分野を明示した名称が使用されていることが特徴です。障害福祉課、生活福祉課、保健福祉課、住民福祉課などの名称が一般的です。

人口が少ない町では、町政の中に福祉事務所ではなく、町民福祉課として設置されているケースもあります。

福祉制度について活用をご検討の方は、まずはお住まいの自治体にお問い合わせください。

3.具体的な業務内容

福祉事務所は、福祉六法に定められた支援と支援に付随する面談や調査、手配、事務処理を行います。

①福祉六法とは

福祉六法とは、社会福祉六法とも呼ばれる福祉に関する法律です。以下の6つの法律を指します。

  • 生活保護法
  • 児童福祉法
  • 母子及び父子並びに寡婦福祉法
  • 老人福祉法
  • 身体障害者福祉法
  • 知的障害者福祉法

以前は福祉六法に定められた支援や各種手続きを、都道府県の福祉事務所が担当していました。しかし、1993年に老人福祉法、身体障害者福祉法にかかわる一部業務が町村に移譲されており、2003年には知的障害者福祉法に定められている事務処理などが移譲されています。現在の福祉事務所は、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法に定められた支援や事務手続きを主な業務として行っています。

②具体的な業務

1-生活保護や各種支援の受付

生活が困窮した住民に向けた福祉制度に関する情報の提供や、各種支援の案内をします。

具体的な福祉事務所の業務は、生活福祉資金や生活保護申請の受付です。

面談などで各種支援を利用することが不可能だと判明し、能力や資産を活用しても最低限の収入が得られない場合には、生活保護制度の利用を検討します。

また、福祉事務所が管轄地域の住民から生活保護の申請を受けた場合は、速やかに受理し面談、事実確認の調査などを経て、回答の通知をします。生活保護が決定した住民には、受給手続きや生活指導などの継続した支援を行い、自立へ向けたサポートを実施します。

2-児童福祉・母子福祉

子どもへの支援や母子家庭への支援を実施します。具体的には医療費の支援や、乳幼児保育の紹介、児童手当などがあります。

義務教育の児童では、いじめや不登校などの相談を受けたり、学習に必要な費用の支援などを行います。

母子家庭や父子家庭、または、父親に障害がある家庭に児童扶養手当や高校修学資金貸付などを実施します。その他必要と認められる場合に各種支援を案内します。

3-知的障害者・身体障害者福祉

障害者と障害者の家族をサポートします。福祉事務所では障害者手帳の発行や各種支援情報の案内、手続きなどを行います。支援は金銭だけでなく、障害によって必要となる車いすなどの物品の支給やヘルパーの支援も含まれます。

4-高齢者福祉

高齢者福祉は一部業務が町村に移譲されましたが、すべて移譲されたわけではなく、福祉事務所もサポートします。養護老人ホームの紹介や一人暮らしの高齢者の見守りシステムの運営などを行います。

5-その他の福祉業務

福祉事務所では、通常業務に支障がない範囲で、社会福祉や保健医療にかかわる業務をすることも許容されています。そのため業務上関連性のある民生委員や児童委員の事務処理を福祉事務所が行う傾向があります。※

※出典 厚生労働省「福祉事務所」参照:2024.04.09

4.どんな人が働いているのか

福祉事務所の組織は、所長、監督、現業員、事務の人員で構成されています。福祉事務所の人員は、条例で定められた人数で運営されます。定員は、担当する地域の世帯数に応じて増減します。

①所長

所長は、福祉事務所の代表です。所長は、都道府県知事又は市町村長の監督を受けて、福祉事務所内の業務を統括します。

②監督(社会福祉主事)

福祉事務所の職員の指導や監督を担当します。

福祉事務所の実務を行う職員は、社会福祉主事です。社会福祉主事とは、公務員が福祉事務所の業務に就く場合に必要な任用資格です。

「社会福祉主事任用資格」と呼ばれ、講習会(19科目279時間)を受講する、大学や短大で厚生労働大臣が指定する社会福祉に関する科目から3科目以上を修めて卒業する、などの方法で取得が可能です。この資格を保有している公務員が、福祉事務所の業務を行います。

③現業員(社会福祉主事)

現業員は、対象となる住民と面談し、必要な支援を実施するための業務を担当する職員です。定期的な家庭訪問や実情の調査、事務手続きなどを行います。現業員は福祉事務所のケースワーカーの仕事を担当します。

④事務

福祉事務所内の事務処理を担当します。

※出典 厚生労働省「福祉事務所」参照:2024.04.12

5.生活保護の手続きが不安なときは?

福祉事務所での生活保護申請を検討している場合は、リライフネットにご相談ください。生活保護の書類の記入に不安がある、生活保護の条件が分からないなどの相談が可能です。

リライフネットは、東京都指定の居住支援法人「ホッとスペース東京」が共同運営者として運営しています。行政・NPO・不動産事業者等と連携しているため、総合的、専門的な支援が可能です。

関東一都三県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の地域を対象としており、現在生活保護を受給中の方も、お悩みがある場合にはご相談ください。

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