生活支援をやっていると色々な人生背景の方と出会います。
その中でも今後増加するであろう外国人の方の生活支援について考えさせられるニュースがありました。

2015年に群馬県の大泉町で生活保護を受給した外国人が町全体の受給者の3割を超えたというニュースです。

1.外国人でも受けられる生活保護

生活保護は生存権に基づき国民を守るための制度なのに、そもそも外国人が生活保護を受給出来るの?」という声も聞こえてきそうな話題ですが、

結論から申し上げますと在留資格など一定の要件を満たせば外国人でも生活保護は受給できます。

生活保護というのは「生活に困っていれば日本に在住していれば外国人を含め誰もが受けられる福祉制度である」だということがわかりますね。

2.外国人生活保護受給者急増の原因とコミュニティー問題

さて、肝心の外国人保護受給者の急増についてですが、背景にはどのような原因があったのでしょうか。

記事では以下のような報道がなされております。

”外国人が人口の16%を占める群馬県大泉町で、生活保護を受給する外国人が2014年度末時点で171人(97世帯)となり、町全体の受給者の3割を超えたことが町のまとめでわかった。日本語の習得が不十分で、就労の機会が十分に得られていないことが生活困窮を招いていると町はみている。”

「日本語の習得が不十分であること」「就労機会が不十分であること」の2点が主な原因として挙げられております。

家族を伴っていわゆる出稼ぎの形で来日した外国人労働者が日本語の拙さを理由に仕事に就けないことや、都心と違ってそもそも仕事の母数が少なく就労できないのだそうです。

そのほか、外国人の中にもブラジル系・アジア系コミュニティーがあり、母数の少ないコミュニティーでは肩身の狭い思いをしたり、限られた仕事の枠をめぐって対立が起きることもあるらしく、一くくりに外国人とまとめ難い根深い問題だといえます。


3.町の見解と今後の展望

それでは行政の立場として、大泉町はどのような見解を持っているのでしょうか。

”村山俊明町長は22日の記者会見で、外国人の生活保護受給者が年々増えている現状について「日本語が分からない外国人が雇用の場を求めて来ても、解雇されやすい状況が目立っている」と述べ、不安定な就労環境が要因との見方を示した。町はハローワークなどと協力しながら外国人の就労支援を進める方針だ。”

外国人の保護受給者自体を問題視するというよりは、外国人コミュニティーを頼って自分たちの町に来ても仕事先が無く保護に頼らざるを得ない環境面に言及しています。人口の流入を好循環に繋げられるよう、外国人の就労支援を進めていく方針がうかがえます。

こうした問題は群馬県の大泉町に限らず、今後全国で出てくる可能性がある社会問題でもあります。

冒頭で「生活保護は要件を満たせば外国人を含め誰もが受けられる福祉制度である」とお伝えしましたが、一般的に外国人・外国籍の方は在留資格のほか、証明書の発行や居住実態を証明するなどのハードルが非常に高いのが実態です。

そのため、生活困窮時には早め早めに行動することが大変重要になってきます。
リライフネットでも外国人の生活支援・就労支援を行っておりますので、お困りの方はお気軽にご連絡ください。

まとめ
外国人・外国籍の方は生活困窮する前に早めに行動していきましょう!