マイナンバーカードは、国が推進するキャンペーンによって普及率が大きく上昇しました。
総務省が公開している情報では、すでに人口の7割がマイナンバーカードを申請しています。
「マイナンバーカードの申請状況 令和5年5月14日(日)時点 申請者数76.9%」
出典:「総務省マイナンバーカード交付状況について」(総務省)
(令和5年5月17日に利用)
今からマイナンバーを作るにはどうすれば良いのか、本当に必要なのか、デメリットはないのかなど、不安や迷いがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、マイナンバーのメリットとデメリット、申請方法、使い方の注意点などをご紹介します。
1.生活保護受給者でもマイナンバーカードは作成できる?
生活保護を受給している期間であっても、マイナンバーカードを申請することは可能です。
マイナンバーカードの作成は義務や強制ではなく任意です。
作成は個人の自由ですが、マイナンバーカードのメリットとデメリットを、しっかりと理解した上で判断する必要があります。
①マイナンバーカードのメリット
1-顔写真付きの身分証明書として使用できる
運転免許証と同様の顔写真付きであることがポイントです。
役所や本人限定郵便の受取、銀行などの金融関係手続きなどは、写真入り身分証明書が必要です。
運転免許証を持っていない場合、写真付き身分証明書としてマイナンバーカードを持つメリットは大きいと言えます。
2-住民票などをコンビニで取得できる
マイナンバーカードで、コンビニのマルチコピー機から住民票、印鑑証明書などがプリントできます。
公的な証明書は、これまで平日の昼間に役所へ取りに行く必要がありました。
コンビニの場合は、平日だけでなく土日や祝日も利用できます。
利用可能な時間も長く、朝6時半から夜23時までとなっています。
3- オンライン申請ができる
インターネットを利用した各種行政手続きのオンライン申請が可能です。
申請書の記入や郵送などの手間が無く、事務処理の時間が短縮されます。
銀行口座がマイナンバーカードに紐づけされていると、その分の手続きが減るため給付金などの支給も早まります。
「紐づけ」とは、マイナンバーカードに行政手続の申請で使用する銀行口座を、事前に登録しておく事を指します。
②マイナンバーカードのデメリット
1- 紛失時のリスクが高い
マイナンバーカードは、紛失や盗難に遭った場合のリスクが高いカードです。
記載されている個人情報などが流出する恐れもあるため、紛失時の対応方法は事前に把握しておきましょう。紛失した場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)音声ガイダンス2番へ電話し、マイナンバーの機能を停止します。
その後、警察への紛失届、もしくは盗難届を提出し、市区町村へも紛失届を出します。
市区町村では、同時に再発行手続きもしましょう。
2-マイナンバーカードは使用時にも注意が必要
マイナンバーカードは、交付されると透明なフィルムケースに入った状態で渡されます。
この透明なフィルムには、マイナンバーカードに記載された13桁の番号部分が見えないように目隠しがついているため捨てずに使用しましょう。
本人確認書類として使用する際には、個人番号部分を隠して提示します。
本人確認をする担当者によっては、個人番号が記載されているマイナンバーカードの裏面が見えないように、顔写真がある表面だけを提示するように指示するでしょう。
そのような指示がない場合も、マイナンバーカードは個人情報である番号を見せずに使用します。
そのため目隠しの付いたフィルムケースがあれば、安全に身分証明書として利用できます。簡単に番号が人目に付く状態で使用していると、個人情報が流出する危険性があります。
マイナンバーカードは便利ですが、重要なカードのため、取り扱いには注意が必要です。
3-銀行口座の紐づけ
マイナンバーカードの利便性を活用する場合は、銀行口座の紐づけが必要になります。
公金受取口座登録制度と呼ばれ、2022年1月から導入されています。
この制度も強制ではありません。
給付金などを受け取る口座を、1人につき1口座登録します。
マイナンバーカードに口座が紐づけされていると、紛失や盗難に遭った場合、情報流出のリスクも上がります。給付金の受取と、情報流出のリスクを比較し、紐づけをするのかしないのかを決めましょう。
心配な場合は、普段は使わない口座をマイナンバー専用口座にするなど、個人情報流出時の対策をしつつ活用する方法もあります。
普段使わない口座を設定した場合は、給付金を受け取った時に、暗証番号が分からないなどのトラブルにならないように管理しましょう。
③マイナンバーカードは作った方が良い?
すでに国民の76%以上がマイナンバーを申請しました。
行政サービスだけでなく、社会全体がマイナンバーカードへ対応する方向へ動いています。
2024年秋には、保険証など紙の証明書が原則廃止になる事からも分かるように、次第にマイナンバーカードを所有していないと、不便になったり、利用できないサービスが増えたりすることも予想されます。
保険証や口座の紐づけは保留して、マイナンバーカードの交付だけはしておくことも、候補の1つではないでしょうか。
この機会に、じっくりと検討してみましょう。
2.生活保護受給者がマイナンバーカードを作成する方法
①マイナンバーの通知書類を用意する
マイナンバーカードを作成するには、国から郵送された個人番号(マイナンバー)の通知書類と交付申請書が必要です。
マイナンバーが開始された平成27年10月5日から令和2年5月25日までの期間は、通知カードと交付申請書が、国から郵送されています。
令和2年5月26日からは通知カードが廃止されたため、個人番号通知書と交付申請書が郵送されるようになりました。
②通知書類がない場合
マイナンバーの通知書類を紛失、または住所の変更などがあり失効してしまった場合には、市区町村の役所窓口で交付申請書が再発行できます。
通知書類がなくても13桁のマイナンバーが分かる場合は、公式サイトから交付申請書をダウンロードすることも可能です。
③交付申請書で申請する
交付申請書を使用した申請方法は4つあります。
1-スマートフォンで申請
交付申請書のQRコードで「マイナンバーカード総合サイト」にアクセスし、メールアドレスを登録、自分で撮影した顔写真を登録、申請に必要な項目を入力して完了です。
2-パソコンで申請
パソコンで「マイナンバーカード総合サイト」にアクセスし、IDとメールアドレスを登録、自分で撮影した顔写真を登録、申請に必要な項目を入力して完了です。
インターネットカフェなどの不特定多数の人が使用するパソコンで、マイナンバーカードの申請をすることは、個人情報流出の危険性があるため避けましょう。
3-証明写真の機械から申請
マイナンバーの申請が可能な証明写真機を利用します。
メニュー画面から「個人番号カード申請」を選択、お金を投入します。
交付申請書のQRコードを機械にかざします。
必要項目を入力した後に、顔写真を撮影、送信します。
4-郵送で申請する
交付申請書に必要事項を記入します。
証明写真などで撮影した顔写真を貼ります。
専用の送付用封筒に入れてポストに投函します。
④マイナンバーの受取
申請の処理が完了すると、マイナンバーの「交付通知書」(はがき)が届きます。
1-受取に必要なもの
受け取りに必要なものは次の3点です。
- 交付通知書
- 本人確認書類
- 通知カード
本人確認書類は、運転免許証や年金手帳、住民票など各市区町村が定める書類です。
通知カードは、マイナンバーカードの交付の際に返却します。
マイナンバーカードは「交付通知書」に記載された期限までに、市区町村の窓口で受け取りましょう。
2-パスワードを設定する
市区町村の窓口で、署名用電子証明書用の「英数字6文字以上16文字以下のパスワード」を決めます。
利用者照明用電子証明書、住民基本台帳、券面事項入力補助用の「暗証番号4桁」を決めます。
決めたパスワードと暗証番号を、市区町村の窓口にある機械に入力すると、マイナンバーカードが交付されます。大切に保管しましょう。
3.生活保護受給者はマイナンバーを使用して医療サービスを利用できる
マイナンバーカードは現在、健康保険証として利用できます。
今後は生活保護受給中に医療機関を受診する際に使用される、医療券の代用としても使用可能になる予定です。
これまで生活保護受給中の医療機関への受診は、医療券を使用した複雑な事務処理が必要でした。
このような医療券による事務処理を簡素化し、利用者の利便性を高めることを目的として、厚生労働省は、令和5年度中にマイナンバーによるオンライン資格確認の導入を予定しています。
4.生活保護受給者でもマイナポイントはもらえる?
①今からマイナポイントは貰える?
今からマイナンバーカードを申請する場合は、第2弾マイナポイントキャンペーンの対象外であるため、マイナポイントは付与されません。
第2弾マイナポイント付与の対象者は、令和5年2月末までに申請が完了している方のみです。
令和5年2月末までに申請が完了している場合は、生活保護受給者でもマイナポイントを受け取ることが可能です。
マイナンバーカードを市区町村の窓口で受け取り、令和5年9月末までにマイナポイントの申し込みをしましょう。
②今から申請して受け取れるポイントはないの?
現在「マイナポイント第3弾」の予定は発表されていません。(令和5年5月現在)
マイナポイント第2弾のポイント付与が延長されているため、少なくとも付与期限の令和5年9月末までは、新たなキャンペーンの開始はないものと考えられます。
しかし、マイナンバーカードの普及率が低い自治体では、独自のキャンペーンを行う可能性があります。マイナンバーを申請する前に、自治体の告知などがないかチェックしてみると良いでしょう。
5.まとめ
今回は、生活保護受給中のマイナンバーカードについてご紹介しました。
マイナンバーは、郵送された通知カードと交付申請書があれば、生活保護受給中でも作成が可能です。 また、マイナンバーの通知書類を紛失した場合でも、市区町村の窓口で再発行できます。
マイナンバーが必要だと感じて作成した場合には、利用する際の注意点をしっかりと把握して、安全にマイナンバーを活用しましょう。
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マイナンバーの申請に必要な住所、受け取りに必要な身分証明書を持っていない場合は、ぜひリライフネットにご相談ください。