生活保護受給者証明書とは、生活保護を受けているという証明に必要な書類です。

この記事では生活保護受給者証の発行方法や証明書が必要な場面、注意点などを詳しく解説します。

1.生活保護の受給者証明書とは

生活保護の受給者証明書とは、生活保護を受給中である証明になる書類のことです。

生活保護受給者が毎月受け取る生活保護費などが記されている決定通知書や変更通知書とは異なります。

生活保護受給者証明書には、受給者の氏名・生年月日・性別・住所などの基本情報が記載されています。また受給者が受け取る生活保護の受給期間や保護の種類なども明記されており、これを提示することで様々な申請時に生活保護を受けているという証明ができるのです。

生活保護を受けることが決まったあとも、生活保護受給者証明書を含めた様々な書類や手続きが必要となります。

正確な情報をもとに必要な手続きをきちんと行うことで、円滑な受給や各種証明ができるようになります。

2.生活保護受給者証明書の発行方法は?

生活保護受給者証明書はどのような方法で取得できるのでしょうか?

詳しく解説していきます。

原則として福祉事務所で発行

生活保護受給者証明書はお住まいの区役所・市役所、福祉事務所で発行することができます。

お住いの市区町村によって名称は変わることもありますが、福祉課や保護課等で発行が可能です。

発行の際に必要なものは特になく、手数料も無料、住民票などの各種証明書よりも手軽に発行することができます。

生活保護受給者証明書を発行することで、ケースワーカー側には発行をしたという履歴が残るそうですが、もちろん区役所・市役所、福祉事務所などでの手続きについてプライバシーは守られており口外は厳禁とされているので、発行したことがどこかに知られることを心配する必要はありません。

また入院中などやむを得ない事情でケースワーカーの元まで行けない場合は郵送で対応してくれるケースもありますが、基本的には直接ケースワーカーのいる区役所・市役所、福祉事務所に出向いて発行してもらい取得することになります。

 担当ケースワーカーとのコミュニケーションの機会にもなりますので、生活状況や健康状態などを話していきましょう。 

3.生活保護受給者証明書はどんな時に使える?

生活保護受給者証明書は思いのほか様々な場面で必要となる証明書です。どのような場面で使用するのでしょうか?

①賃貸物件に入居する時

生活保護を受ける時、基本的に持ち家は資産とみなされNGとされているため、賃貸物件に住むことがほとんどでしょう。今住んでいる場所から引っ越しが必要になることがあるかもしれません。

賃貸物件を借りる際には必ず審査というものがあり、職業や年収、世帯構成などから貸主や仲介会社、不動産会社が判断するものです。

生活保護を受けている時は家賃は生活保護費から住宅扶助という名目で支給されるため、家賃を支払うことができるという証明に生活保護受給証明書が必要となるのです。

実際生活保護受給者が入居可能な賃貸もあり、また生活保護受給者は住宅扶助によって安定した家賃の支払い能力があるため、収入が不安定な方や収入が少ない方よりも審査が通りやすいというという側面もあります。

審査の際は生活保護受給者証明書は必ず提出するようにしましょう。

②公営住宅に入居する時

公営住宅とは困窮する低額所得者の方などに向けて、低価格な家賃で提供するために整備された住宅のことです。

公営住宅の条件は「公営住宅法」によって定められています。

 県の提供は県営住宅、市の提供は市営住宅と呼ばれることもあり、住宅公社といった公的機関が運営しているので安心感もあります。

こうした公営住宅に入居申込みを行う際にも生活保護受給者証明書は必要です。

一般の賃貸不動産を借りるのか公営住宅に住むのかどちらがあっているのかは担当のケースワーカーの方などに相談してみるのもいいかもしれません。

③緊急で医療機関にかかる時

生活保護を受給すると国民健康保険や後期高齢者医療制度からは脱退しなければならないため、国民健康保険証を持てなくなります。

ただしこれによって医療機関を受診出来なくなるわけではなく、代わりに医療券というものが発行されることになります。

医療券とは生活保護受給者における受診医療機関で提示することで、生活保護受給中は原則として医療費が0割負担になるものです。

ですが医療券は通院する際に、ケースワーカーや福祉事務所の方に事前に発行してもらう手続きが必要になります。

では夜間や緊急で病院にかかりたいときはどうすればいいのでしょうか?

そのような時に必要になるのが生活保護受給者証です。

生活保護受給者証を提示すれば後日医療券を提出してもらうということで、緊急でかかった診察も無料で受けることができます。

ただし夜間や体調が悪い時は生活保護受給者証を発行しにケースワーカーを訪問することは難しいと考えられる為、かかりつけの医療機関がある場合などはあらかじめ緊急時に備えて生活保護受給者証を発行し、保管しておくことが大事でしょう。

④授業料免除や減免の申請をする時

生活保護を受けていると授業料の免除や減免を受けることができます。

小・中学校でかかる費用の一部を補助する「就学援助制度」とよばれている制度のことです。

どのような提出の形になるかは学校や福祉事務所等の指示に従いましょう。

授業料だけではなく遠足や修学旅行などの免除や減免に繋がることもあるため、子どもの学びを確保するためにも必ず申請するようにしましょう。

⑤住民票の発行をする時

住民票の発行をする時も生活保護受給者証明書があれば発行が免除になります。

住民票の発行は300円ほどかかることが多いので少なからず嬉しいポイントです。

ただし、コンビニでの発行では免除となりません。必ず市区町村の窓口で行うようにしましょう。

また、生活保護受給者証明書はマイナンバーカードなどのように顔写真付きの証明書類ではないため、身分証として認められないケースもあります。

住民票などと2点セットで証明として認められることもありますが、生活保護受給者証明書はあくまでも上記のような場面で使用する身分証明書というくらいの認識でいたほうが良いでしょう。

4.生活保護受給証明書の有効期限と紛失時の対処法

①有効期限

生活保護受給証明書の有効期限は生活保護を受給している間です。

生活保護費の受給が廃止になった場合は、証明書としての役割を果たさなくなり福祉事務所等に返却することがルールです。

情報に変更があれば必ず報告するようにしましょう。

また、上記で説明した生活保護受給証明書が必要な場合に提出を求められた際、相手側から有効期限を求められることもあります。

基本は住民票と同じく発行から3ヶ月程度といわれています。

場合によってはもっと短いケースもあり、提出先に必ず確認して発行を行いましょう。

②紛失時の対処

生活保護受給証明書は紛失してしまっても再発行が可能です。

福祉事務所等で無料でできるので、福祉事務所等の開所時間内に発行手続きを行いましょう。

生活保護受給証明書は緊急の医療機関受診時にも必要とお話した通り、緊急で必要とする場合もあります。

紛失してしまったらケースワーカーへ相談し、早めに再発行をしておくようにしましょう。

紛失しても再発行することができる生活保護受給証明書ですが、証明書なので個人情報も数多く記載されています。

特に外出先では無くさないように気を付けてください。

5.まとめ

生活保護受給者証明書についてご理解いただけたでしょうか?

生活保護を受ける際に重要な書類は保護決定通知書だけと思われる方も多いかもしれませんが、生活保護受給者証明書も実は大切な書類のひとつということがお分かりいただけたかと思います。

発行は担当ケースワーカーを通じて無料で発行してもらうことができ、証明書には氏名などの基本的な個人情報から受給期間や受給要件なども記載されています。

大切な個人情報の為、くれぐれも外出先などで無くさないように気をつけてください。

生活保護受給者証明書があると、普段の住民票の発行から緊急時の医療機関受診まで対応できます。

生きていくのに大事な住居を決める時にも大事な証明書となります。

公営住宅や一般流通の賃貸物件など選択肢はありますが、どちらの場合も生活保護受給者証明書は必要です。

提出先の有効期限などにも気を配り、忘れずに準備しておくようにしましょう。

生活保護を検討している方は、住居相談から住居提供まで提供可能なリライフネットに問い合わせてみてはいかがでしょうか。