生活保護制度とは、生活に困窮している方に対し、国が健康で文化的な最低限の保障をする制度です。

誰にでも受給する権利はありますが、生活保護を受ける上で受給者には守るべき義務や制約がいくつかあります。

今回の記事では生活保護制度の受給する上での注意点を交えて詳しく解説していきます。

1.そもそも生活保護とは?

生活保護とは生活保護法により、さまざまな理由で働くことができない人などが最低限度の生活ができるように国が保護を行う制度であり、国民の権利とされています。

また、生活保護では生活の保障だけでなく、積極的な自立の援助を行うことを目的としています。

しかし生活保護は日本の永住権があれば誰にでも申請する権利が与えられている一方、受給する上で守らなければならない義務や制約もあります。

その判断は生活保護法に基づき、生活保護を受ける為には大きく分けて5つの条件があります。

2.生活保護を受けられる条件とは

生活保護を受給する上で最も重要な条件とは、世帯全体の収入が最低生活費より少ないことです。

最低生活費とは、国から定められた健康で文化的な生活を営むために必要だと定められている費用のことです。

そのため、生活保護では「補足性の原理」という考え方に基づき、保護の対象かどうかを判断されます。

生活保護を受給できるかどうかは、資産や収入が最低生活費を下回っていることを前提とし、以下の4つの条件が認められれば対象となります。

①資産の活用

現金や現金化のできるものであれば原則生活費として消費します。不動産や自動車の保有は原則として認められませんが、資産価値の低いものならば、一定条件のもとに認められる場合もあります。

②能力の活用

仕事がなく収入が途絶えていても職探しをしていない場合や、やむを得ない事情で働くことができない場合でも、通院など治療に関する活動をしていない場合は「能力の不活用」とみなされ対象とはなりません。

③扶養義務者の扶養の活用

原則、親子や兄弟姉妹などの親族などの扶養義務者から援助を受けられる場合は、生活保護は受けられません。

注意点として、生活保護を申請すると扶養義務者に「扶養調査」というものが届きます。

通知を送って欲しくない場合は申請時に相談が可能ですが、送るかどうかの最終的な判断は福祉事務所によって判断されます。

④あらゆるものの活用

社会保障制度(国民年金、厚生年金、児童手当、児童扶養手当など)の活用が義務となります。

前提として支給される生活保護費の金額は、基準となる最低生活費によって左右されます。

また、生活保護費は全国で一律ではありません。居住している地域によって金額が変動しますので併せて注意が必要です。

生活保護受給をお考えで、特に現在お住まいの住居に関する心配のある方はリライフネットの相談窓口のご利用がおすすめです。最短で相談翌日から住居の提供を行っています。

3.生活保護を受けることによるデメリット

生活保護費の受給をお考えの方からすると、生活保護はメリットしかないように思う方もいるかもしれませんが、さまざまなデメリットもあります。

これから代表的な生活保護のデメリットについてご紹介します。

①所有物や預貯金、資産性のあるものに制限がある

まず、生活保護を受けるうえで資産がないことが前提とされます。原則、換金可能である資産価値のあるものは生活費として消費しなければなりません。申告をしていない場合は生活保護費の返還や停止を求められることがあります。

②自動車やバイクを所有できない

原則として自動車やバイクを持つことはできませんが、例外として認められることもあります。例えば、やむを得ない事情で公共交通機関が利用できず、自動車がないと生活ができない場合などは認められるケースがあります。

③自由に使えるお金が制限される

生活保護費は生活費として支給されるものです。貴金属などの贅沢品を購入や所持していた場合は、売却を求められたり、または保護が打ち切られることもあり得ます。ギャンブルは禁止ではありませんが、得たお金は収入として申告する必要があります

④ローンが組めない

生活保護受給者でもローンを組めるケースもありますが、生活保護費は最低限度の生活を保障することを目的としている為、ローン返済に充てることは原則認められません。

また、借り入れも収入としてみなされてしまいます。

⑤クレジットカードの所有が制限される

生活保護受給者でもクレジットカードを作ることは可能です。しかし、生活保護受給者は支払い能力が低いと判断され、クレジットカード会社の審査に通らない可能性が高いです。作成する場合はケースワーカーに使用する目的等を相談のうえ、正しい指導を受けましょう。

⑥家族(親族)に生活保護の受給が連絡される

生活保護を利用するうえで「頼れる家族がいないこと」という要件があるため、申請する際には親族に援助ができるかどうかの確認の連絡(扶養調査)が行われます。基本的に避けることはできませんが、事情を加味して確認連絡を行われない場合があります。

⑦ケースワーカーの訪問調査

受給している間はケースワーカーとの定期的な面談が義務づけられています。また、訪問調査では抜き打ちでケースワーカーが自宅を訪問してくる場合もあります。その際のプライバシー面がネックとなるでしょう。しかし、訪問調査に応じないと生活保護費の停止の可能性もあります。

プラスの資産・マイナスの資産を問わず、生活保護受給中はお金の取り扱いは非常にシビアなものと考えておきましょう!

4.生活保護を受給するかどうか考えるべきポイント

収入が減ってしまった、働くことができないといったさまざまな理由から生活保護費の受給を考える人も多いのではないでしょうか。

生活保護制度は、日本に永住権があり、生活が困窮している方なら誰でも申請し受給する権利があります。

生活が苦しい人ほど受給はしやすいのはもちろんですが、以下の条件が該当する方ほど審査に通過できる可能性は上がります。

  • 最低生活費を下回っている
  • 働きたくても働くことのできない要因がある
  • 預貯金や土地などの資産を持っていない
  • 年金や手当などの他の制度を利用できない

なかでも絶対的な条件は、世帯収入が居住している地域の最低生活費よりも低いことです。

また年金で生計を立てていて、生活が苦しいと感じる高齢者世帯も多い中、あまり知られていないですが、年金と生活保護の両方受給することが可能です。

支給される保護費はお住まいの地域や世帯収入によって異なります。

ただし、最低生活費から年金や手当などの他収入から差し引いた金額が支給される生活保護費となります。最低生活費を超えた受給を得ることはできません

生活保護を受けようとお考えの場合は、まずはお住まいの地域の福祉事務所に向かう前にリライフネットの無料相談を利用してみませんか?

5.まとめ

この記事では生活保護に関する基礎的な知識を紹介してきました。

所有物の制限や、貯金や資産の制限、ローンを組むことができない等のデメリットもありますが、国から最低生活費として健康で文化的な生活が保障されるメリットもあります。

ただし、日常的に節約をしながら生活の維持、向上が求められることを忘れてはいけません。

支援を受ける前に、生活保護制度の趣旨、メリットとデメリットを十分に理解することが重要と言えるでしょう。

また、日本に永住権があれば誰にでも生活保護の申請ができる権利がある一方、「譲渡禁止」であったり「生活上の義務」「届出の義務」「指示等に従う義務」といったことが生活保護法によって定められています。

生活保護を受給する権利を行使するうえで、同時に上記で記載したような義務も果たさなければなりません。

リライフネットでは最短で相談翌日から住居の提供をしています。最低生活費を下回っていて生活に行き詰まってしまう前に、まずは無料相談してみませんか?知識豊富なスタッフが丁寧にサポートします。