生活保護は誰でも簡単に取得できるものではありません。流れに沿って申請する必要があります。
そこで今回は、申請する流れや注意すべきポイントなどを解説します。
気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.生活保護を申請する流れ
申請の流れは、複数のステップにわかれます。
そのため、以下の流れに沿って行動していきましょう。
①まずは条件を満たしているか確認!
いきなり申請するのではなく、まずは条件を満たしているか確認することから始めましょう。
生活保護は日本国民の全員に与えられている権利です。
しかし、実際に受給するためには以下の条件を満たしておかなくてはなりません。
1-世帯収入が自分の住んでいる地域における最低生活費より低い
もし世帯収入が住んでいる地域が設けている最低生活費の金額よりも高いのであれば、申請しても却下されます。
最低生活費は地域によって異なりますが、収入がある場合には最低生活費の基準額から、収入額を差し引いた額が生活保護費として支給されます。
収入は労働によって得た収入だけでなく、年金や失業保険、退職金なども含まれています。
財布や口座に入ってくるお金は全て収入になると考えてよいでしょう。
2-病気といった理由で働けない
病気や怪我などやむを得ない理由で働けないことも、生活保護の対象となります。
また現に働いていても、世帯収入が住んでいる地域の最低生活費以下であり資産が無ければ、生活保護の対象となります。
働けない理由に関しては客観的にやむを得ないものでなければならないため、心身ともに健康であるにもかかわらず「働きたくない」というだけでは申請が却下されてしまいます。
うつ病などによって就労活動が難しい方であれば、その状態を客観的に証明できる証拠として通院記録や診断書などを用意しておくとよいでしょう。
3-不動産や自動車などの資産を持っていない
実際に申請する際には、先に資産を活用して生活の維持を目指す必要があります。
そのことから、不動産や自動車などの資産を持っている場合は、原則として生活保護の申請ができません。
ただし、状況次第で例外となります。
例えば、持ち家を売ってしまうと住む家がなくなる場合には無理して売り払う必要はありません。
最終的な判断はお住いの自治体の相談員やケースワーカーの判断によりますが、売却してしまうと生活ができなくなるようなものは例外として認められる可能性があります。
4-公的な融資制度や公的扶助を利用できない
生活保護を利用するためには、資産だけではなく公的な融資制度や公的扶助などの活用の有無も重要となります。
もしそれらで生活が維持できるのであれば、生活保護の申請をしても却下されるでしょう。
しかし、場合によっては公的な融資制度や公的扶助を利用できないこともありえます。
また、利用していても生活が困難である場合も、条件を満たしていることとなります。
5-家族や親戚からサポートしてもらえない
家族から扶養できると回答があった場合には、生活保護を受給することができません。
具体的には両親や子ども、兄弟などの支援が挙げられます。
特別な事情がある場合には、おじやおばなど三親等内の親族によるサポートが可能な場合も、生活保護の対象となりません。
ただしDV(家庭内暴力)などを受けてきた経緯があり、居場所が知られることでかえって申請者に危害が及ぶ可能性がある場合などはこうした扶養照会を控えることもあるので、特別な事情がある方は相談員にその旨を伝えましょう。
②申請に必要な書類を用意する
条件を満たしていることを踏まえた上で、申請に必要な書類を用意しましょう。福祉事務所などで申請時に必要な書類はそちらにあるので現地で記入しますが「自分が生活保護を受給せざるを得ない状況であることを示す証拠となるもの」は予め準備して申請に臨む必要があります。
主なものとしては、現在の資産の状態がわかる通帳・カード類や、仕事をしていた方は離職票、病気を抱えている方は診断書などが必要になります。
そのほか、相談者が本人であることを示す身分証や印鑑、現在の住居で保護を受給する場合は賃貸借契約書なども必要なものとして挙げられます。
③福祉事務所に相談する
書類を用意したら、住んでいる地域の福祉事務所に相談してみましょう。
申請する一方で福祉事務所の調査には非協力的だったりすると、申請しても受理されない可能性が高まります。
そのことから申請前に相談して、生活保護の具体的な制度を改めて教えてもらいましょう。
場合によっては、生活保護以外の制度を紹介してくれるかもしれません。
④生活保護を申請する
生活保護を申請すると、調査が始まります。具体的には家庭訪問や上記の条件を本当に満たしているかどうかの調査などです。
申請する際には特に書類は必要ないとはいえ、スムーズに調査してもらうためにも、先述のような生活に困窮していることを伝えられる資料を揃えておきましょう。
生活保護の申請はどんな人でもスムーズに申請できるとは限りません。
例えば、うまく状況を説明できなかった場合や書類の追加の準備が必要になった場合には、どうしても時間がかかるでしょう。
もし不安な時は、福祉事務所の段階で担当者に対してしっかりと気になることを聞いておくのがおすすめです。
⑤審査が通れば生活保護が受給できる
無事に審査が通れば、生活保護を受給できるようになります。
申請から受給の可否の決定までは通常2週間以内で、調査に時間を要するなどやむを得ない事情がある場合は最大で1か月かかります。
生活保護の支給日は地域によって異なるため、具体的なことは初回の支給時に担当のケースワーカーに訊いておくと良いでしょう。
2.生活保護を申請する際のポイント
無事に申請できるようにするためにも、以下のポイントを踏まえて取り組みましょう。
そうすることで、申請が受理されやすくなるかもしれません。
①本当に生活保護が必要か見直す
生活保護は生活が困窮している場合における最終手段です。
申請前に本当に生活保護を活用せざるを得ない状況であるかどうか見直しましょう。
住んでいる自治体によっては、生活困窮者に対する支援制度を設けています。
一例として福岡市では、福岡市生活自立支援センターという施設を用意しています。
施設では、経済的に困っている在住者に対するサポートを実施。
各種関連機関と連携しながら、一人ひとりに寄り添って生活の安定と自立を目指しています。
このように自治体によって支援制度や施設を設けている場合があるため、申請前に調べてみましょう。
②生活保護の申請は断られやすいことを知っておく
上記で述べたように、生活保護を申請しても相談だけで終わってしまったり、保護を受けるべきかの判断が難しく、客観的な説明ができず、結果として申請が受理されないことが多くあります。
だからこそ、生活保護を申請したい場合には頼れるところがないか探してみるのがおすすめです。
サポートしてくれる団体や頼りになる身近な人に同席してもらうことで申請が通る可能性が高まりやすくなるでしょう。
③家探しも困難であることを知っておく
生活保護受給者の家探しは困難であり、通常の賃貸に比べて相談や審査で断られる可能性が高くなっています。
そのため、生活保護を受給しながら家を探すのであれば、大手の不動産会社に依頼しましょう。
大手は人員的な余裕も時間的な余裕もあり、物件を探せるルートも豊富にあることが多いため、生活保護受給者に対してもしっかりと家探しをサポートしてくれます。
ただし、時間がかかる場合があるため、ゆとりを持って行動するのがおすすめです。
そうすることで、焦ることなく理想的な家を見つけられるでしょう。
④リライフネットに相談するのもおすすめ
もし生活保護を申請したくても家に関するトラブルを抱えているのであれば、リライフネットに相談するのもおすすめです。
リライフネットでは、住宅の確保が困難な方へのサポートを行っており、ニーズに合った物件を提供しています。
それだけでなく、リライフネットでは相談会や個別面談を通じて福祉制度の情報の提供なども行っております。
住居提供から生活保護申請、受給決定後の社会復帰までをトータルサポートしてもらうことも可能です。
もし気になるのであれば、一度リライフネットに相談してみてはいかがでしょうか。
3.生活保護の申請は準備が必要!
今回は、生活保護を申請する流れや注意すべきポイントなどを解説しました。
生活保護の申請は複数のステップに分かれている上に、どんな場合でも申請が受理されるわけではありません。
だからこそ、申請前に調べて準備するようにしましょう。
リライフネットといった外部のサポートに頼るのもおすすめの方法です。
そうすることで、スムーズに受理される可能性が高まります。